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Anjaana Anjaani 2010年 147分
主演 ランビール・カプール & プリヤンカ・チョープラー
監督/脚本/台詞 シッダールト・アーナンド
"最高の恋は、常に見知らぬもの同士で育まれる"
ニューヨーク在住のアーカーシュ・カンナは、独断専行によって会社を破産に追い込み、1200万ドルの負債を抱え込んでしまったため、ジョージ・ワシントン橋から飛び降り自殺しようとしていた。
しかし、その直前で同じように自殺しようとしていた女性に声をかけられてタイミング逃してしまい、警察が来たこともあって2人は仕方なく歩道に戻って別れていくが、アーカーシュはすぐに走行中の車の前に飛び出て再度自殺を図る…。
病院で目覚めたアーカーシュは、見舞いにきた同僚から自宅が差し押さえられたこと、会社を倒産させたこと、締結されていた融資の保証人であるアーカーシュと銀行との話し合いが30日に行われることを知らされる。
病室を抜け出したアーカーシュは、同じ病院に入院していた橋で出会った女性…キアーラー・カプールと再会。彼女もまた、あの後再度自殺しようとして転倒した時に首を骨折しながらなお死ねずにいたと言う。2人はキアーラーの部屋にて再度自殺を計画するも様々な偶然が重なってなかなか死ねないまま。
「ねえ、昨日から何度も自殺を試してるに、2人とも死ねないなんて…まだ、人生でやるべきことが残ってる、ってことじゃない? これはなにかの知らせなのかも…時間をかけるべきよ。2日か…4日か…」
「そんなまさか…。……なら、31日だ。20日後の12月31日の大晦日まで待って…あの橋から飛び降りよう」
「いいわ。これは協定。私たちは大晦日になった0時に、同じ橋から飛び降りる。それまでは、死ぬ前にやりたかった事をやるの。みんながそう考えてる事をなんでも。…みんなが生き延びるためにやる事を、私たちは死ぬためにやるのよ…」
挿入歌 Anjaana Anjaani Ki Kahani (見知らぬ男女の物語)
タイトルは、ヒンディー語(*1)で「見知らぬ人」の男性形と女性形で「見知らぬ男、見知らぬ女」の意?
「バンバン!(Bang Bang!)」「ウォー!!(War)」などで知られる、シッダールト・アーナンド4本目の監督作。本作の後、アクション映画監督に専任する彼の、最後のラブコメ監督作としても知られる。
12月のニューヨークを舞台に、実際に全編アメリカロケを敢行したラブコメ・ライフストーリー。
人生に絶望した同士の男女が偶然に出会い、偶然の重なりで自殺できない状況をなにかの運命だと解釈して、やり残した事を全て片付けてから死のうと誓い合う20日間の人生再生劇を追う物語は、兎にも角にも主役2人の愛嬌、その裏に常に見え隠れする悲哀とのギャップが可愛らしさ全開で美しい。
シッダールト・アーナンド監督の前作「Bachna Ae Haseeno(気をつけろ、美女たちよ)」から主演続投のランビール・カプールの、冒頭からの強面演技がだんだんとヒロイン キアーラーに影響されて柔らかくなっていく過程も美し楽しい人情劇の核を作っているし、本作の2年後に「バルフィ!(Barfi!)」でランビールと共演することになるプリヤンカ・チョープラーのトラブルメーカーっぷりも可愛いらしさ全開すぎて打ちのめされてしまいますわ。そんなヒロインが、徐々に映画後半にメインストーリーとして立ち上がって来て、彼女の自殺の原因となる事件や主人公アーカーシュとの間で起こる様々な「予兆」を最初に指摘する点、「予兆」の解釈による人生再生に積極的になる点が、インド物語としての結末への暗示を作り出す点も秀逸。
この映画を見た、デビュー前のキアーラー・アドヴァーニー(生誕名アーリア・アドヴァーニー)が、自身の芸名を本作ヒロインにちなんで名乗るようになった、という逸話も納得の可愛いクリスマスムービーですわ。
立て続けに3本のロマンス映画をヒットさせたシッダールト・アーナンド監督が、次回作のアイディアが出てこないまま苦戦しているところを妻マムタ・アーナンドのアイディア(*2)を面白がって、そのプロットを映画脚本未経験の小説家アドヴァイター・カーラに託して作られたという本作の脚本。一味違うラブコメを目指す監督と、小説と脚本の違いに苦戦する小説家による脚本と言う相乗効果が、監督曰く「控えめなロマンス」と言う新機軸を生み出して言ったそうな。
まあ、今見るとそんなに新規性は感じない結末の見えてるお約束ラブコメながら冬のニューヨークその他のアメリカの景色と、そこに馴染んでるようで馴染んでいないような、それでも人生を楽しんでいるインド人男女の理想的な自由の姿、その裏にある人生上の蹉跌(仕事、恋愛…)に悩み苦悩する姿をカジュアルにポジティブに描いていくエネルギーそのものが羨まス。ま、そのエネルギッシュさが前面に出て来てるせいで、主役2人が全然自殺志願者に見えないし簡単に死にそうにないなあ…って明るさに支配された映画にもなってるけども。そっちの方が、常にメソメソした死がちらついて見えるお涙頂戴物語よりもよっぽど娯楽してるって事かいね。
主役2人とも、本音と建前、真実と虚偽を適宜使い分けて軽快なコミュニケーションを続けていくところが、このお話の根本であり面白さの中心であるところが、健気であり、器用であり…一番大事な部分での不器用さよね、って姿が見え隠れしていく事自体、この映画そのものの可愛さが現れてくる所デスワ。
挿入歌 I Feel Good (アイ・フィール・グッド)
受賞歴
2011 Lion Gold Awards 人気映画女優賞(プリヤンカ・チョープラー)
2011 The Ganta Awards 最悪助演男優賞(ザイード・カーン )
「AA」を一言で斬る!
・「寒いより暑い所の方がいい」って言ってたけど、自殺するにしろプロポーズするにしろ、寒すぎる所も暑すぎる所も勘弁ですわあ。
2026.1.23.
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