インド映画夜話

Andaaz 2003年 146分
主演 アクシェイ・クマール & ラーラ・ダッタ & プリヤンカ・チョープラー
監督/原案 ラージ・カンワル
"僕たちの、私たちの友情のために……さあ、立ち上がって!"






 北インド ウッタラーンチャル州(現ウッタラーカンド州)のデヘラードゥーンに住む、飛行機好きで男勝りの女の子カージャルの家の隣に、足の骨折以来トラウマで歩けなくなり、伯父夫婦に引き取られた男の子ラージ・マルホートラが引っ越してくる。
 ラージのラジコン飛行機をきっかけに親友となった二人は、お互いに支えあい、カージャルの応援のもとラージはトラウマを乗り越えてついには歩けるように!

 それから10年。
 大学生のラージとカージャルは、あいかわらずの大親友で、ケンカ友達で、周囲も認める仲の良さだったが、ラージは「昔の約束通り、彼女を乗せて飛行機の中でプロポーズする」と言う目的のために、彼女への告白なしにインド空軍に入隊。
 1年半の後、トレーニングを終えて帰って来たラージだったが、なんとカージャルはダンスショーで知り合った富豪カラン・シンハーニアと婚約してしまっていた! 結婚式当日、ラージは二人を祝福するも、本音をカージャルに気付かれ、涙ながらに別れて行く。カージャルはナンニータールヘ、ラージは訓練のため南アのケープタウンへ…。

 カージャルを忘れられないラージは暗く沈む日々を送っていたが、大晦日の夜、クラブで始まったケンカ騒動から救出した美女ジアーに一目惚れされて、追いかけ回されるように。
 インドの養父母一家の所にまで押し掛けられて伯父夫婦たちも彼女を応援し始め、すったもんだの末に観念してジアーと婚約する事になったラージだったが、彼女の家に挨拶に行くと、待っていたのは驚くべき運命だった…!


挿入歌 Shala La Baby (シャラ・ラ・ベイビー)

*本編最初のミュージカルは、ラーラのダンスで始まりまっせ! ああ、ラーラ様の眼力に魅了されてまうー!!
 うんまあ、その美貌や表情芝居やは堂々としたもんだけど、この頃のラーラはまだダンスのキレがないですなぁ(振付けのせいかもしんないけど)。



 タイトルは「(独自)スタイル」。
 2000年度ミス・ユニバースのラーラ・ダッタと、2000年度ミス・ワールドのプリヤンカ・チョープラーの共演作にして、ラーラ・ダッタの映画デビュー作!(*1)
 監督のラージ・カンワルは、助監督出身の映画監督兼プロデューサー兼脚本家。1992年のシャールクデビュー映画「Deewana(熱狂)」で監督デビューした人。

 もうなんちゅーか、思い切りなミス・ユニバース&ミス・ワールドお披露目映画で(*2)、完全な「終わりよければ全て良し」映画。
 ラスト30分くらいまでは昼メロ的な凡作恋愛映画だなぁ…と思ってたら、いきなり最後に色々ぶちかましてくれて「なんかスゴいもん見た!」と満足してしまう脚本術&演出術がオソロしい。…ムリクリ騙されてるだけ、とも言えるけどw

 前半は子供時代から始まるラージとカージャルの友情ラブコメ劇で、後半になってやっと登場するプリヤンカとの新たなロマンス劇を挟んで、ラストの急展開で一気にそれまでのダラダラした展開がシェイプアップされ社会問題をも切り取るインパクトに頭やられる感じ。
 基本的には、クリシュナ神話を踏襲したラーラ・ダッタ推しの映画…かしらん? エネルギッシュな押しの強さを前面に出すラーラ演じるツンデレなカージャルと、セクシー全開のエロカワなプリヤンカ演じるジアーそれぞれの美貌と、コロコロ変わるファッションと表情芝居を見るための映画……なんだけど、しっかりきっかり女性問題をラストに切り取って、ヒロイン双方のコメディからシリアスへの芝居の幅を堪能できる一本。プリヤンカはともかく、ラーラはオーラ全開な存在感に身体のキレが今一歩追いついてない感があるものの、要所要所のパワフルな演技や体当たりな表情芝居は貫禄ですわぁ。
 欲を言えば、室内劇が多いためにウッタラーンチャル州の山岳地帯の風景をそんなに見れなかったのが不満ちゃ不満か(なくはないけど)。ま、世界一の美女2人に囲まれてあたふたするアクシェイも見てて楽しいけども。

 主要登場人物3者が勢揃いするラスト近辺で、突如映画のテーマが大きく変わる様は見所。
 よくもまあ、ダラダラしたラブコメをこれでもかと見せつけて来た後に、ここまで話を軌道修正して「良い映画を見た!」と思わせちゃうエモーショナルなボリューム感を出せるよなぁ。その無理矢理感も含めて制作スタッフ&キャストに乾杯! 脚本家志望の人は必見!(ある意味でw)


挿入歌 Rabba Ishq Na Hove (主よ、だれも恋に落ちないでしょう)




受賞歴
2004 Filmfare Awards 女優デビュー賞(ラーラ&プリヤンカ)
2004 Star Screen Awards 期待の新人賞(ラーラ)




「Andaaz」を一言で斬る!
・インド空軍の日常が、まるでトップガンのよう…。

2014.2.7.

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*1 ただしラーラの声は別の人の吹替。プリヤンカは前年にタミル語映画「Thamizhan」で主演映画デビューして、「The Hero: Love Story of a Spy」を挟んでのヒンディー映画2作目の出演作。
 フィルムフェアでは両者に新人デビュー賞が贈られたけども。

*2 OPクレジットにわざわざ"2000年度ミス・ユニバース""2000年度ミス・ワールド"とつける所が嫌らしいw