インド映画夜話

Dil To Pagal Hai 1997年 180分
主演 シャー・ルク・カーン & マードゥリー・ディークシト & カリシュマ・カプール
監督 ヤーシュ・チョープラー






 ステージ劇団の団長兼ダンサーのラフールはある日の千秋楽、団員の了承なしに「次の舞台テーマは『マヤ』だ!」と宣言。
 困惑する団員に「理想的女優『マヤ』を探し出して来い」と命令するも、ラフール自身『マヤ』の具体的イメージをつかめないでいた。

 「マヤ」上演の期日が迫る中、劇団の看板ダンサーのニーシャが練習中に怪我してしまう。焦るラフールたちは、ダメもとで近くのダンススタジオに代理ダンサーを捜しにいく事に。そこで偶然ラフールの目に止まったのは、美しい舞を踊る少女(?)プージャ。彼女とラフールは、以前にも偶然の出会いを幾度か経験している仲だったのだ!

 ラフールは、プージャこそ『マヤ』だと確信してあの手この手でスカウトに走る。初めは「ただ趣味で踊りを習ってるだけ」とにべもないプージャだったが、徐々にラフールに惹かれ初めて「マヤ」出演を承諾するように。
 そんな2人を複雑な思いで見ているのは、ラフールの幼なじみでもあるニーシャだった…。


挿入歌 Koi Ladki Hai (あの娘を知ってる)


 タイトルの意味は「心狂おしく」…らしい。
 物語的には、そんなに意外性もないクラシカルなラブロマンス。前半と後半で雰囲気が変わるってこともなくて、一貫して三角関係の中で3者3様の恋心が描かれていくけれど、ドロドロ展開もなくわりとスッキリした映画(ドロドロ系がダメな私としては大正解!)。まぁ約3時間、ずっと同じ調子って感じではあるんだけどねぇ…。「ミモラ」の事があったんで、そう簡単に進まないだろうと身構えてた分、わりと大味で拍子抜け。

 見所は、なんと行ってもボリウッドの女王マードゥリーと映画界の名門カプール家出身のカリシュマのダンス対決!! 絶頂期は過ぎてしまったとは言え、女王マードゥリーは健在。明らかに現在のスター カリシュマとはオーラが別格で(ちょっと無理のある少女役を)余裕たっぷりに演じてくれる。振付けはファラー・カーン…なんだけど、映像としてはダンスシーンも地味かな…。全体として、こじんまりしたスター映画って感じ。

 実は、許嫁のアジャイ役で今をときめくアクシャイ・クマール(*1)が出演してるんだけど、まっっっったく気づいてませんでした。てへ。

挿入曲 The Dance Of Envy (嫉妬のダンス)



受賞歴
1998年 Filmfare Awards 作品賞・主演男優賞・主演女優賞・助演女優賞(カリシュマ)・振付賞・美術監督賞・台詞賞・音楽監督賞
1998年 National Film Awards 助演女優賞(カリシュマ)・振付賞(Le Gayi)・金蓮最優秀人気エンターテイメント賞)
1998年 Zee Cine Awards 作品賞・主演男優賞・主演女優賞・助演女優賞(カリシュマ)・脚本賞・美術監督賞・音楽監督賞・女性プレイバックシンガー賞(Dil To Pagal Hai)・撮影賞・振付賞

2009.8.21.

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*1 日本公開された「チャンドニー・チョーク・トゥ・チャイナ」の主演男優だ!!