インド映画夜話

ドン 過去を消された男(Don: The Chase Begins Again) 2006年 178分
主演 シャー・ルク・カーン & プリヤンカ・チョープラー
監督/脚本/製作 ファルハーン・アクタル
"ドン。彼を捕まえるのは難しいのではない。…不可能なのだ"







 世界的な武器・麻薬密売組織を束ねるシンハーニヤーとヴァルダーンとの間に抗争が勃発。ついにヴァルダーンが姿を消し、シンハーニヤーがその全実権を握ることとなった。
 スィンハーニヤーの右腕として世界各地に出没する男、ドン。彼は11ヶ国から指名手配されながら、逮捕されたことはない…。

 ムンバイのデシルヴァ警視総監は、ドンの本拠がマレーシアにあることを突き止め、現地警察と協力して彼を逮捕しようと計略を巡らす。
 同じ頃、ドンに婚約者ラメーシュを殺されたカミニは、ドンへの復讐のためにデシルヴァに協力を申し出るが、ドンは彼女を盾にしてまんまと逃亡。
 一方、ラメーシュの妹ローマーは、カミニと兄の復讐のために単身ドンに近づき、その片腕となって仇を討つ機会を待つ…。


OP Main Hoon Don (我はドン)

*こうして『ドン』は…『ギャング・スター』に、あこがれるようになったのだ!


 邦題は、日本の映画祭で上映された時や日本語版DVDでのタイトル(日本語版、持ってないのよー。探すとレンタル店とかでも見つかるって言うけど…)。1978年の映画「Don」のリメイク作品。

 「マトリックス」…と言うか「スパイ大作戦」なノリのアクション&サスペンスなピカレスク映画。前作「Don」を見てないんだけども、2段3段落ちの脚本が飽きさせないし、マフィア映画としてもアクション映画としても楽しい。狂気をはらんだ役を演じるシャールクは結構似合っとりますね(もともと、デビュー当時は悪役系の役が多かったんだっけ?)。
 どんでん返しが全部がわかった後で、もう一度見ると色々と発見が多いのも傑作映画の条件だゼ!

 シャールク主演「Om Shanti Om」で悪役を演じることになるアルジュン・ランパールは、ここではシャールクとは別に組織に対抗するジャスジートを好演。2人のカンフー対決もスピーディーでカッコいい。
 カンフーアクションと言えば、ヒロインのローマー演じるプリヤンカのアクションも美しい。元々スーパーモデルで磨いたプロポーションに、カンフーの流れるような動きが新体操みたいだったぞ。プリちゃん、グッジョブ!

 居間のテレビで見たら、家族から「またこのシャールクって人の映画かよ。インドも役者が少ねーなー」的な文句が来たものの「この人、こんな悪役は似合わないよ。人の良いおじさんじゃないと」とおかんが言っていた。
 …なんだかんだ言いつつ、シャールク主演のロマンス映画のイメージがしっかり根付いてるのね、我が家。


挿入歌 Maurya Re (我らが主よ)

*富の神 聖天ガネーシャをお祝いする、盛大なガナパティ祭を御覧あれ〜御覧あれ〜。


受賞歴
2007 Zee Cine Award 年間エンターテイナー賞(シャールク)

2010.6.18.



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