インド映画夜話

Dostana 2008年 142分
主演 アビシェーク・バッチャン & プリヤンカ・チョープラー & ジョン・エイブラハム
監督/脚本 タルン・マンスカーニ
"ゲイ・カップルは、マイアミ美女がお好き!"






 アメリカはフロリダ州のマイアミ・ビーチ。
 看護師のサミールとカメラマンのクナールはどちらもプレイボーイ。数々の女と一夜を共にし、時々同じ部屋をシェアしている女性たちの所で顔を会わす事もあった。

 そんな2人が新居を探している時に目を付けたのが、偶然にも同じ高級マンションの一室。一等地の最高級物件なのに格安でシェアできると聞いてきたが、大家には「姪が住んでるから女性しか受け付けない」と追い返される。
 高級物件を逃す手はないと、サミールはクナールを説得して「オレたちはゲイ・カップルなんだ。姪御さんも安心だよ。悪い虫がついてもオレたちが追い払うしね!」と大家に大アピール。この大嘘が功を奏して、2人のルームシェアが決定したものの、そこに現れた姪っ子のネーハーはとんでもない美女だった!

 ゲイだと言った手前ネーハーを口説き落とせない2人だったが、奇妙な共同生活の中で次第に3人の友情は深まって行く…。


挿入歌 Jaane Kyun (なぜかは知らないけれど)



 タイトルの意味は「友情」。
 居候の男性2人と女性オーナーとの奇妙な友情がテーマ…なんだけど、そこにインドでは絶対的なタブーである"ゲイ"が入って来る。

 なにせインドでは、同性愛は最悪無期懲役の犯罪なんだそうな。
 イギリス統治時代からの法律らしいし、現在も厳格な宗教理念では否定されるべき存在である同性愛なんだけど、エッセイマンガ「インドな日々」とかでは「わりと多い」とか紹介されてたような…。オゥ、ホット!
 劇中では、ゲイが普通に生活しているマイアミを舞台に「ゲイのカップルなんだ」と言う嘘の一言によって巻き起こるドタバタに笑いっぱなしだけど、色んなエピソードが過去のボリウッド映画のパロディで終わっちゃうなんてトコも多く、そう言う意味では古いタイプと新世代のボリウッドが同居してる感じ。ま、アビシェーク演じるサミールの女走りが妙に似合って見えるのがにんともかんとも…。

 ゲイのいる日常とかゴージャスなマイアミの生活とか、元気な頃のハリウッドの無責任青春映画あたりと似ていなくもない。
 男性ストリップ・ショーのシーンなんかはイギリス映画「フルモンティ」のノリが見えなくもなくもなかったり…。

 お話は、前半はドタバタのコメディで、後半はブリヤンカ演じるネーハーの恋の進展とともに、3人の友情物語へと変わって行く。とにかく、主役3人の可愛い事キュートな事(…同性愛的な意味ではないよ。けして!)。特にブリヤンカがおいしいトコを全部持ってっちゃった感じぃぃ。よ! さすがはミレニアム・ミス・ワールド!!
 過去映画のパクリなんか気にしないでも、安心して大笑いで見ていられる映画でっせ。ま、日本人的にはジョンの筋肉ムキムキなマッチョナルシズムな所に「?」となりかねんとは思うけど…。

 どーでもいいけど、スシュミター・ムカルジー演じるネーハーのおばさんが「私は中華系」って言ってたけど、スシュミターにしろブリヤンカにしろ、どの辺が中華系なんだー!

挿入歌 Maa Da Laadla (ママの息子は甘えん坊)

*うんざりされた どうにーかしてるよ どーにかしてや〜 ホイホイホイ♪



受賞歴
2009 IIFAインド映画批評家協会 コメディ演技賞(アビシェーク)・振付賞
2009 Stardust Award 年間女優スター賞(プリヤンカ)
2009 Star Screen Award No.1カップル賞
2009 Golden Kela Awards 最悪主演女優賞(プリヤンカ 「Love Story 2050」と共に)

2009.12.18.

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