アメリア大陸
分類:未来世界
交通:ーー
アニメーション・シリーズ「∀ GUNDAM」の背景世界。
今よりはるかはるか彼方の遠未来、<正暦>と言われる時代の地球の一大陸。
大陸は南北に長く伸びて東西を2つの大洋に囲まれており、北部を「北アメリア大陸」南部を「南アメリア大陸」と区別し、中央部付近は「サンベルト」と呼んで人の移住不可能地帯とするがその理由についてはハッキリしない。また、各地に「マウンテン・サイクル」と言われる特異地形が散見され、一部領主や鉱山師等には「黒歴史の遺跡」と言われて特別視されている。
各地域によって政治体制は大きく異なるが、北アメリア大陸ではおおむね領主による分割統治が行なわれている。各地域の文化レベルも領地ごとに差が見られるが、大体我々の知る所の産業革命当時の水準を保っているものの、自生する大洋電池芝等の超科学による完全リサイクルエネルギーを使用するなど、超科学文明の片鱗も見える。
この世界には神話・伝説として語られる「黒歴史」と言うものがある。多くは子供用のおとぎ話とされるそれは、しかし各領主の家にも様々な形で伝承されており、これこそが真の歴史であって現今の歴史はそれを隠すために創作された物だと伝える物まである。
「黒歴史」は、神話の時代に人類は巨大な船や巨人と共に宇宙を駆け、幾度も相争って世界の滅亡の瀬戸際まで追い込まれてはその度に文明を再建し、ついには「歴史の忘却」と「科学文明の否定」によって戦争の歴史に終止符を打つ事に成功したのだと伝える。
後に、伝説とされた「月に住む人(ムーンレィス)」が超科学文明の巨大マシーンと共に地球帰還を開始すると、その混乱の中で「黒歴史」は人々の前に真実として現れだした。各地のマウンテン・サイクルから沢山の機械人形(モビルスーツ)・宇宙戦艦・超小型核ミサイル等とその周辺機器が次々と発掘され出したのだ。奇しくもそれはムーンレィスやアデスカの民が伝える「白い悪魔」の機械人形の復活が始まりとなったのだった。
総監督自ら「いままでのガンダムを全否定しながら全肯定するするガンダムを作る」と宣言して制作されたシリーズ、「ターンA」。全シリーズ中、最も異色なシリーズでありますが私は1番すきなシリーズです。様々な魅力を持つ「ターンA」ですが、最大の魅力は上記した世界観ではないでしょうか。私の知る限り”健やかな”と言う形容がぴったりなこの未来像を越える未来像を提示できた作品はない、と思います。劇場公開された時に「キネマ旬報」でも論じられましたが、まさに1級のファンタジー作品でしょう。
ちなみに、個人的な事ですが「ターンA」第32話『神話の王』が放映された時には「これぞターンAよ!!」と私は独り狂喜していました。ハイ。
参考
TVアニメーション「∀ GUNDAM」
映画「∀ GUNDAMT 地球光」
映画「∀ GUNDAMU 月光蝶」
富野由悠季 総監督 サンライズ 製作
2003.4.29.
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