1.神界からの降臨 | |
始源にて人間は光明を放ち清浄であった(以下アガンニャ・スッタ) 大地にクリーム状の物質現れ、人間が食すと官能欲が産まれる 大地が固くなり、食べ物も堅固になる 人々、固い食べ物を食べ体が固くなり空中から地上へ 人間の光明消え、太陽と月とその他の天体誕生→昼夜・季節・月の変化の開始 粗末な成分と関わり男女発生 官能の欲望から様々な苦悩(不平等・階級差別・法律など)発生 ボサツ(未来の仏陀)、前世の数々の行いからトソツ天に登る(以下ラリタ・ヴィストラ) 神々、仏陀の降臨の時期を勧告 バラモンの姿に変化した神、ボサツに「偉大な人物」の特徴を授ける 神々の取り決め ボサツをカピラヴァストゥのシャーキャ族王妃マーヤー(幻術 女性的原理)に受胎させる事を決定 ボサツ、天界の別れに際し説法 ボサツ、未来の仏陀マイトレーヤ・ボサツに王冠を譲る シュッドーダナ王城に瑞兆 家も庭も真白く清らかになる 害虫の退散 ヒマーラヤ山の野鳥が集い歌う 花咲き狂い池は蓮花で覆われる 台所の食料が無尽蔵になる 楽器が鳴り響き器は輝きを増し、光明が城を満たす 王妃マーヤー、純潔の誓いを宣言 一定期間、城の一番高い所の花の床で瞑想したいと申し出、許可される 神々、ボサツへの援助を約束し、シュッドーダナ城に花をまく 天女たち、仏陀の母マーヤーの周りを飛び交う ボサツの降臨に際し大光明発生 大地全てが苦痛を伴わず震撼 生きとし生けるもの全て、好意と愛情に満ちる 天女たち、ボサツの降臨を高らかに宣言 |
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2.受胎 | |
ヴァイシャーカ月の満月がプシャ(蟹座)と交わる日(4月5日) 地上より一本の蓮花、天界のブラフマンまでとどく ボサツ、6本牙の白象となってマーヤーの右脇から母胎へ (ニダーナ・カターでは6月7日の満月の夜) マーヤー、ボサツ受胎を夢に見る マーヤー、夢の中で神々にヒマーラヤ山に連れられ天界へ赴き沐浴 マーヤー、天上の花と着物に飾られた白象に会う 目覚めたマーヤー、庭のアショーカ園に入り、王に迎えを出す 神々、アショーカ園に入れないシュッドーダナ王にボサツ受胎を説明 バラモン、マーヤーの夢を占い、王妃の懐妊をシュッドーダナ王(浄飯王)に告げる 「世界を支配する王子が産まれるだろう。もし出家すれば世界の者たちを解脱させる仏陀となろう」 神々、ボサツ誕生まで自らの宮殿を提供 ブラフマン、蓮花の中にあった全ての霊薬を収めた蜜をボサツに提供 全ての神々、ボサツを礼拝し、ボサツの指図に従い天上へ戻る マーヤー、不思議な治癒力を発現 悪魔たち、マーヤーを見て逃げ去り、マーヤーのかざす右手によって病人たち全快する マーヤーの御殿、ブラフマンによって天界の聖物となる |
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3.仏陀誕生 | |
BC6世紀頃 仏陀、カピラヴァストゥで誕生 仏陀の母、出産後間もなく逝去 |
受胎より10ヶ月後 宮廷と国土に瑞兆顕現 自然界静まり、国土の活動止まる 女たち安産ばかりつづく ヒマーラヤ山より獅子が走り込んで来るが危害なし マーヤー、出産が近づいた事を知りカピラヴァストゥ郊外のルンビニー園に行幸 不可視の神々、マーヤーに付き従う 早春(パールグナ月つまり2月3日[ニダーナ・カターでは4月5日]) ルンビニー園の樹々、一斉に咲きそろう マーヤー、プラクシャ無花果樹に右腕をのばし枝をつかむ 天女たち集い、妃の用をつとめる ボサツ、俗世の穢れを受けずに母の右脇から誕生 インドラとブラフマン、幼児を抱き上げ天上の絹製の衣服をつける 竜王ナンダとウパナンダ、冷水とお湯をそそぎ、ボサツを産湯につかわせる 天人の群、香水をまき、花と雨を降らせる ボサツ、大地を歩むと大地割れて大きな蓮花咲きでる ボサツ、蓮花の中に立ち四方に向かって7歩歩む 「私は世界の最高者でありこれは私の最後の誕生である。生と老と死との苦を討ち滅ぼそう」 ボサツが歩むごとにその場に蓮花が咲きでる 大地震え、天地より琴の音響き、花が咲き乱れ、晴天から雷鳴轟き静かな雨が降り注ぐ 白檀の香り吹き、上空より梵音響き、無量の光明が全世界に広がり、生ける者全てに喜びと快さ満ちる 不実全て止み、病全快し、酔いはさめ迷う者は悟り、死者の国の苦しみ消える 天女たち、マーヤーを礼拝し、ボサツを天上の装身具で飾り香水・香油を塗る 同時刻、ボサツの未来の妃ゴーパー・馭者チャンダカ・馬カンタカ誕生 シュッドーダナ王、息子をサルヴァールタシッダ(自分の念願を全て実現してくれる人)と命名 7日後 マーヤー逝去 33神の天上に昇る ボサツと一行、ルンビニー園よりカピラヴァストゥに帰還 マーヤーの妹マハープラジャーパティー(大いなる母)=ガウタミー、太子の世話役となる ヒマーラヤ山の仙人アシタとその甥ナラダッタ、仏陀誕生を知り城を訪れる 太子、仙人を迎えるために自ら起き出す アシタ、大いに泣き「太子は仏陀になって教義を説くだろう。私はそれ見れないだろうから泣くのだ」 神々、アシタの言を記録 |
4.青年時代 | |
仏陀、瞑想の素養を見せる? |
シュッドーダナ王、王子を神々の殿堂に連れて行く 殿堂内の神像、ボサツの入場とともに立ち上がり幼児を礼拝 バラモンたち、王子に高価な装身具を身につけさせるも、ボサツの身の輝きに色あせる 森の女神、ボサツに花を振りかける 太子、成長して学校へ 教師ヴィシュヴァーミトラ、ボサツの輝きに卒倒 ボサツ、教師・生徒に説法を受け入れる気持ちを伝授 太子、子供たちと農園に赴き、自然界の苦しみ・闘争を見て憂いに沈み哀れみを催す(仏本行集経の記述) 太子、ジャンブ樹の下で座禅をくみ瞑想 空飛ぶ5人の仙人、突如金縛りにあい、森の神からシャーキャ族の王子が瞑想に入ったためだと知る 5人の仙人、ボサツを礼拝し飛び去る シュッドーダナ王の使者、ジャンプ樹の影が太陽の位置に反して太子にかかり続けている奇瑞を報告 シュッドーダナ王、自ら瞑想する太子を礼拝 |
5.結婚と閨房生活 | |
仏陀の結婚→ラーフラ誕生 仏陀、後宮生活を楽しむ? |
古老たち、太子を「世界を支配する王」にし遁世を防ぐため、太子の結婚を提案 王、太子に提案を話し、太子「7日間考えさせてほしい」 太子、過去世において仏陀への遁世を前に結婚していた事を知る 太子、結婚を承諾し妻の条件を提案 「気高く若く美しく、その美しさを誇らず、生ける者全てに優しく、施しを喜び、邪念なく、嫉妬なく 誠実正直で、高ぶらず、考えも言葉も行いも純潔、安逸をむさぼらず、聡明で技倆あり朝起きであること ただ美徳と内面の価値こそを重要視するべき」 王子の条件にかなう妻探し→シャーキャー王族ダンダパーニーの娘ゴーパーを発見 (妃の名は別にヤショーヴァティー、マハーヴァストゥではヤショーダラー、パーリ聖典ではバッダカッチャーナーとも) シュッドーダナ王、妻探しとは別にカピラヴァストゥの乙女を城に集め、太子の手から贈り物を受けよと命令 乙女たち、太子の輝く栄光に耐えられず眼を合わさぬまま贈り物を受け取る 最後にゴーパー来訪し、太子と向き合って贈り物を受け取ろうとする 「私はそれだけの値打ちしかないのですか。私は太子の飾りを取ろうとは思わない。私自身が太子の身の飾りとなろう」 ゴーパーとの結婚に際しダンダパーニー王、シャーキャー族の習慣から武芸試験を提案 シュッドーダナ王、これを怖れるが太子、試験を承諾 シュッドーダナ王の公示 カピラヴァストゥ城門前広場にて競技開催→500人のシャーキャ族集合 太子の従兄弟デーヴァダッタ、高慢から太子に挑戦するも相撲で敗退 太子、全ての競技で勝利 ダンダパーニーの提案で弓術試験で決着させる事を決定→5人の競技者集結 十町先の的に対して競技者、的を射抜く ボサツ、神殿にある強弓 先祖シンハハの弓をもって半跏のまま弓を射る ボサツの弓を引く弦の響き、カピラヴァストゥ中に響き人々・神々がボサツを称賛 ボサツの弓、7つ全ての的・背後の7本の樹々・鉄製猪を射抜き、泉を噴き出させる→「矢の泉」 天上の神々、天上の花を降り注がせ「ボサツが最高の仏陀となろう」と予言 ボサツ勝利し、ゴーパーと結婚 妃となる折に習慣に反しゴーパー、顔を隠さない シュッドーダナ王、さらに8万4千人の侍女をボサツに与え、俗世の快楽の中に置く 十万の仏陀の威力によりボサツの耳に、音楽の調べが大いなる遁世を促す トソツ天の1神、夜更けてボサツに遁世を勧告 夜半に王、太子から夢を送られ、太子の出家を見る 王、太子の遁世を防ぐため、三の宮殿建設などあらゆる予防手段を講ずる 予言のよる遁世の門「吉祥の門」に500人力の閂がかかる 太子の外出の申出に対し王、7日間かけて道筋を整理 ボサツ、東門より出て老衰を初めて知る ボサツ、南門より出て病気を初めて知る ボサツ、西門より出て死を初めて知る (マハーパダーナ・スッタによればボサツは馭者チャンダカから死の概念を知り、生そのものが禍と悟る) ボサツ、北門より出て托鉢僧と出会い、遁世を讃美 (ニダーナ・カターでは夕方以降にインドラの命でヴィシュヴァカルマン神の姿で帰還) (ニダーナ・カターではさらにゴーパーがラーフラを出産している) 遁世の前兆現出 シュッドーダナ王、太子の脱出を怖れ太子を監視 鳥は静まり蓮花しぼみ、木々枯れ弦楽の弦切れて音絶える ゴーパー、悪夢にうなされ流星によって都が闇にとざされるのを見る ボサツ、ゴーパーの夢を至福の前兆と解く |
6.大いなる別離 | |
仏陀出家 仏陀、ヴァイシャーリーのアーラーダ師に弟子入り |
夜半に王、(幻影の)太子を見、別れを告げられる 思い留まるように言う王に太子「不老の青春・衰えない美貌・永遠の健康・永遠の命を叶えてくれれば残ろう」 太子「これ以上、転生しないようにしてくれれば残ろう」→王、自らの無力さを知り遁世を承知 しかし、夜明け前に再び気が変わった王、城の警備を強化させる 神々、ボサツの遁世を助力 全市を眠らせ音楽でボサツを礼拝、道端に花を撒く 浄居天(住居の神々)によりボサツ、閨房が肉体の醜態で満たされている事を悟る 太子の左右に月神と日神立ち、月が蟹座に宿る ボサツ、馭者チャンダカ(またはチャンナ)に馬カンタカを用意するよう命じる チャンダカ、ボサツに遁世を止めるように懇願するもボサツの決意変わらず ボサツが馬カンタカに乗ると大地震動し、十方から神々現れ讃歌を奏する 悪魔マーラーの最初の誘惑「遁世を止めるなら7日以内に世界支配圏を与えよう」(ニダーナ・カター) ボサツ、シャーキャ〜クローデャ〜マイネーヤをすぎアヌヴァイネーヤで馬を降り馭者と別れる →「チャンダカの別れ」と呼ばれる聖堂建立される ボサツ、刀で頭髪を切り神々、それを聖物として保存 浄居天の1神、猟師の姿で現れボサツと衣服を交換 神々、ボサツの衣服を聖物として保管 →以上2つの地点にも聖堂建立 王、「吉祥の門」に花が撒いてある事・チャンダカからの報告から太子の遁世を知り絶叫 ゴーパー、卒倒しカンタカに抱きつき嘆く「汝が恨めしい。私の夫をどこへ連れて行ったのか」 養母マハープラジャーパティー、太子の装身具を蓮池に沈める→「装身具の池」と呼ばれる ボサツ、苦行者として各地を遍歴 ボサツ、ヴァイシャーリーにいるアーラーダ・カーラーパ(またはアーラーラ・カーラーマ)を訪ねる アーラーダ、300人の弟子たちにボサツ到来を知らせる ボサツ、アーラーダの指導で無処有処「虚無世界への上昇」の瞑想に達する ボサツ、弟子の指導をしてくれと言う苦行者たちの願いを振り切り再度遍歴 ボサツ、マガダ国のラージャグリハ(王舎城)付近のパーンダヴァ山に隠遁 ボサツ、托鉢のためにラージャグリハを訪れ、人々驚嘆する マガダ国王ビンビサーラ、ボサツを訪ね敬意を表す |
7.苦行 | |
仏陀、ルドラカ師に弟子入り 仏陀、さらなる修行で苦行開始 仏陀、苦行は無意味と悟る |
ボサツ、ラージャグリハのルドラカ・ラーマプトラ(ラーマの子、の意)に弟子入り ボサツ、ルドラカの説く「非想非非想処 意識と無意識の彼岸への上昇」の瞑想を達成 ルドラカの700人の弟子たち、ボサツに驚嘆し「苦行者ゴータマ」と呼ぶ ルドラカ、弟子たちの指導をしてくれとボサツに頼むが、ボサツ再度遍歴 ルドラカの5人の弟子(恵まれた5人の群)、ボサツと同道 ボサツたち、マガダ国ガヤーのガヤーシールシャ山で霊的修行開始 ボサツ、肉体的執着の克服を達成 ボサツさらに遍歴し、ナイランジャナー河畔のウルビルヴァー(またはウルヴェーラー)へ 10人の娘、ボサツを世話する(バラー/バラグプター/スプリヤー/ヴィジャヤセーナー/アティムクタカマラー スンダリー/クンバカーリー/ウルヴィルリカー/ジャティルリカー/スジャーター) ボサツ、最高の苦行のために6年間の修行「アースパーナカ瞑想」を実行 ボサツ、瞑想によって呼吸を止め死の間際へ向かう 神々から報告を受けたマーヤー、降臨しボサツの死を嘆く ボサツ、目を覚ましマーヤーを慰め、仏陀となる事を約束→神々、ボサツを礼拝し天上へ帰還 ボサツ断食 土地の人々、ボサツをからかい笑う 悪魔マーラー、ボサツを誘惑して苦行を止めさせようとするも失敗(スッタ・ニパータ) ボサツ、ジャンプ樹の瞑想を想起し、苦行が無意味と悟る 神々、体力をつけようとするボサツに天上の食物を皮膚の穴から流し込もうとするもボサツ拒否 ボサツ、弟子たちに野菜料理を作らせる ルドラカの5人の弟子、ボサツと別れてベナレスへ赴き、リシパタナの鹿野苑に滞在 10人の娘、ボサツのために野菜料理を作り、ボサツ、力と美を取り戻す 供養の誓いをたてていたスジャーター、夢に神々の知らせを見る スジャーター、千匹の牝牛の乳より牛乳料理を作り黄金の器にのせてボサツに勧める スジャーター「器はすきなようにして下さい。でも器がなければ食物を差し上げられません」→ボサツ、料理を受け取る ボサツ、ナイランジャナー河に浸り、竜女が差し出す宝石の玉座に座りスジャーターの料理を食べる 竜王サーガラ、黄金の器をボサツより受け取り、聖物として保管 インドラ神、ガルダの姿でサーガラから黄金の器を奪おうするも失敗 インドラ神、正体を現しサーガラに懇願→黄金の器を受け取り33神の天に運び保管 ボサツ、食事が済むと32の特色現れ「偉人」として菩提樹に向かって歩む |
8.悟りの座へ | |
神々、ナイランジャナー河〜菩提の座までを掃除して花で飾る 全世界のあらゆる樹、菩提の座に向けて梢をたれる 神々、道の両側に七宝壇をたてる 天女、道に花を撒き香水をボサツにふりかけ天上の歌を歌う ボサツ、菩提の座につく ブラフマン神、この意義を祝し全ての神々にボサツを礼拝させる ボサツの光明により、あらゆる世界の仏陀の国土が見える 菩提樹からあらゆる天地水の花現れ、あらゆる世界からきたボサツが見える ボサツの光明により、世界のあらゆる苦しみが静まる ボサツ、菩提樹を7たび回って礼拝 ボサツ、草の敷物を敷き東面して座禅 「たとえ朽ち果てようと、仏陀の悟りを得ないうちはこの座から動くまい」 十方から神々集い、ボサツを守護 あらゆる世界のボサツたち、仏陀となろうとするボサツを礼拝 |
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9.誘惑者マーラ(魔)との闘い | |
ボサツ、欲界(感覚の世界)の支配者マーラを克服せんとしてマーラを呼び出す ボサツの光明、マーラの世界に達しマーラ、水からが敗北する夢を見る マーラ、軍勢を整えボサツに向かい進軍 ボサツ、マーラ軍の攻撃を無力化 飛道具は花環に、山は花の宮殿に、猛火は光明の環飾りとなる マーラ軍の不和 マーラの息子たち、ボサツに帰依するか否かで争う マーラ、ボサツに王権を与えようと誘惑するもボサツ拒否 マーラ「私が過去世の犠牲で感覚的世界の支配者になった。証人は汝だが、汝に証人はない」 →ボサツ「大地が私の証人だ」大地震動し、大地女神たち証人として出現 マーラ、娘たちにボサツ誘惑を命じるも失敗→娘たち、ボサツとの争いをやめるよう提案 菩提樹の神々、ボサツの勝利を勧告 マーラ、軍勢を総動員してボサツを攻撃 ボサツ、軍勢を幻想や妄想(マーヤー)と看破し武器を皆花環に変える →マーラ、敗北を認め、神々、ボサツの勝利を祝い礼拝 |
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10.悟り 菩提 | |
仏陀、ウレル(=ウルビルヴァー)にて(無花果樹の下で?)悟りを開く 仏陀、悟りを沈黙で守るも一転して説法に出る |
ボサツ、禅定の第1〜4段階まで昇り三段の智を見る ボサツ、初夜分に生物の輪廻転生のさまを見る ボサツ、中夜分に過去の無数の生涯を知る ボサツ、後夜分に苦悩の連鎖からの脱却を考察する ボサツ、迷い・構成力・死・苦の成立と消失・そこへ至る道を悟る →ボサツ、夜明けを前に「至高完全の悟り(無上正等覚・阿耨多羅三藐三菩提)」を見出し三重の智慧を得る 神々、ボサツが仏陀となったと宣言し散華 闇は消え、光明は輝き、大地震動する 十方から他のボサツたちや神々が仏陀を歓迎「智者が現れた。救いの香油として哀れみの雨を降らすだろう」 天女たち、ボサツを「非武力でマーラを征服した英雄」「至高の医者」「神々にも勝る神」「甘露の果実の施し手」と称賛 「ボサツが仏陀になった時の様々な不思議な出来事を記述するならば、世の終わりまでかかってもなお尽きないだろう」 きよらかな住居の神々(浄居天子)、仏陀を礼拝 光明に輝く神々(遍光天子)、続いて仏陀を礼拝 ブラフマンの神々(梵衆天子)・ボサツに味方したマーラの息子たち、仏陀を礼拝 他化自在天の神々・化楽天の神とその一族・トソツ天の神々・スヤーマ天の神々、仏陀を礼拝 インドラを始め33天の神々・4人の世界守護者(四大天王)と天女たちなど、仏陀を礼拝 最後に虚空の神々と地の神々が仏陀を礼拝 仏陀、7日間菩提の座から動かず座禅し続け、滅ぼした煩悩を眺める 次の7日間、如来(タターガタ=「かくの如く行けるもの」=仏陀)、世界を遍歴 第3週 如来、菩提樹を仰ぎ見る 第4週 如来、東の海から西の海までの小さな遍歴を試みる マーラ、仏陀に近づき入滅を誘うが、仏陀これを拒否 仏陀、世間に仏陀と教義と教団(仏・法・僧)の基盤が出来るまで入滅しないと宣言 マーラの娘ラティ(快楽)/アラティ(焦慮)/トリシュナー(渇愛)、再度仏陀を誘惑→仏陀によって醜い老婆になる ラティたち、心から後悔し許される 第5週 仏陀、竜王ムチリンダの宮殿に滞在 竜王ムチリンダ、とぐろを巻いて暴風雨から仏陀を守る 第6週 仏陀、他の樹(山羊飼のニャグローダ樹)に赴く 第7週 仏陀、菩提樹に戻る トリプシャ/バルリカの商人兄弟の隊商、北に向かう途中に不可視の力で動けなくなる 隊商の牛スジャータとキールティ、森の神の手を借りてやっと菩提樹の前まで進む トリプシャ兄弟、ひれ伏して密の食物を供物として差し出す 仏陀、神々から受け取った天上の花をみたした石の鉢でこれを受け取る ひとりの神、この鉢をブラフマン世界に運び聖物とする 仏陀、兄弟を祝福 兄弟、大いに喜び仏陀に帰依→最初の帰依者となる 仏陀、自らの見出す真理が人々に理解されないだろうと思い沈黙に徹する 神々、教義を広めるよう勧めるも仏陀拒否 マガダ国に不吉な前兆 風吹かず火は燃えず、雨降らず河は流れず、苗は芽吹かず鳥も飛ばず ブラフマン神、人類の嬉々を看破し仏陀の前に現れ説法を懇願 如来、仏陀の目で世界を見渡し「聞く耳を持つものは信じるがよい」と宣言 法の輪を活動させる 仏陀、過去世の仏陀たちの法輪の最初の活動の地ベナレスのリシパタナへ向かう |
11.法輪と説法 転法輪 | |
仏陀、ベナレスにて説法 |
仏陀、過去のヨーガ師アーラーダとルドラカの死を神々より知らされる 仏陀、最初の法輪の活動をかつての弟子たちに行おうと鹿野苑に向かう 途中、遍歴の苦行者、仏陀を見て驚嘆 仏陀、増水したガンジス河にいたるも渡し守、仏陀を無視 仏陀、神通力によって河を渡る 渡し守、後悔し地上に倒れる 仏陀、ベナレスにて最初の托鉢 5人の弟子、仏陀の到来を見るも出迎えるまでもないと無視 仏陀が近づくと5人の弟子、自然に仏陀を出迎え礼拝 仏陀、5人に悟りの経緯を語り先に5人が思った事を言い当て、弟子たち、ビク(仏弟子)となる事を誓う 七宝の王座出現し、仏陀そこで座禅 仏陀の光明により闇が追い払われ、大地震え、卑しい感情は静まり愛情と好意満ちる 天上の声「仏陀の悟りを得た人が、法の輪を活動させようとしている」 あらゆる神々とボサツたち集まり、法輪を活動して下さいと懇願 初夜分 仏陀、神々の願いを聞き届ける意向を沈黙によって示す 真夜中 仏陀、皆と楽しく語り合う 夜明け頃 仏陀、5人のビクに「官能欲と苦行の行き方を避け、中道の法を行くべき」 仏陀、4つの真理「苦悩・その起源・その絶滅・その絶滅に至る道」を説く (マハーヴァストゥでは、この後帰郷した仏陀は、初めて自分の幼い息子と対面する) |
12.入滅 大般涅槃 | |
仏陀、コーシャラ国首都シュラーヴァスティ(舎衛城)に滞在 アナータピンダダ(給孤独長者)、仏陀にジェータヴァナ園(祗園)を提供 仏陀、マガダ国グリトラグータ(鷲峰山)で説法 仏陀、ヴァイシャーリーに滞在 遊女アンバパーリー、仏陀にマンゴー園を提供 ラーフラ、仏教教団に入信? 仏陀、臨終の床で不従順の僧侶破門 BC477~480頃 仏陀、80歳で入滅 スバッダ、仏陀入滅から増長? BC250頃 アショーカ王、ルンミンデーイに石柱詔勅を建てる 1898 ピプラーヴァーで仏陀の塚発見 「シャーキャ族の聖なる仏陀を納める」 |
仏陀、ラージャグリハ郊外の「鷲の峰」に滞在(以下マハーパリニッパーナ・スッタ「涅槃経」) マガタ国王アジャータシャトル王の使者、仏陀を訪ね「ヴリッジ人との同盟に戦争を行うか否か」の意見を伺う 仏陀、平和解決を勧告「ヴリッジ人が古来の法や儀礼を守るうちは隆盛に向かうだろう」 仏陀、同じように弟子たちに隆盛に向かい没落しない法として「戒・定・慧」を説く 仏陀の遍歴 ラージャグリハを出てアンバラッティカ〜ナーランダー〜パータリガーマへ 仏陀、アジャータシャトル王が新築する都(後のパータリプトラ)を見て神々の守護による繁栄と滅亡を予言 仏陀、増水しているガンジス河を神通力によって渡りコーティガーマヘ 仏陀、「4つの真理」による輪廻転生からの解放を説く 仏陀、さらにナーディカー〜ヴァイシャーリーへ 仏陀、遊女アンバパーリーのマンゴー園に滞在 アンバパーリーの食事に応じた仏陀、リッチャヴィ人の食事の招待を断る リッチャヴィ人、遊女から仏陀招待権を買い取ろうとするも遊女「町中の富み全てだろうとも断る」 アンバパーリー、仏陀の説法への感謝としてマンゴー園を仏陀の教団に寄付する 仏陀、ベールヴァ村にて雨期の間弟子たちをヴァイシャーリーに戻させる 仏陀、ベールヴァ滞在中に発病 サンスカーラ(力)の統御で肉体的苦しみを抑える 弟子アーナンダ、仏陀の回復を願う 仏陀「もう教える事は全て教えた。齢80の身は脆くなり弟子たちは教えこそ光明とすべき」 仏陀、ヴァイシャーリーに托鉢に戻り、アーナンダとともにチャーパーラの霊場へ赴く 仏陀、世の美観を称賛し、神通力で永遠にこの世に留まれる事を諭すも、アーナンダー気づかず マーラ、再度仏陀に入滅を誘い、仏陀「3ヶ月して涅槃に入るだろう」と約束 仏陀、正念正知して胎内の精神力を放棄 地震と雷鳴起こる アーナンダー、仏陀の成の放棄を聞き、初めて永遠に生き続けるよう懇願するも拒否される 仏陀、アーナンダーに命じて弟子を招集 神通力と八種の道を説き教えの堅持を謹言 仏陀、ヴイシャーリー〜バンダガーマーへ 仏陀、弟子たちに「4つの真理(戒律・三昧・智慧・解脱)」を説く 仏陀、さらにハッティガーマ〜アンバガーマ〜ジャンブガーマ〜ボーガナガラ〜パーヴァーへ 金鍛冶職チュンダ、仏陀を自分のマンゴー園に招き食事に招待 チュンダ、特別料理(スーカラ・マッダヴァ=猪肉か食用茸?)を仏陀に差し出し、仏陀その残飯を地中に埋める 仏陀、説法によってチュンダを喜ばせる 仏陀、赤痢発病 苦しむ仏陀、クシナガラ(またはクシナーラー)へ 濁る河を前に仏陀、再三水を乞い、アーナンダ、渋々河を見ると水が清浄に戻る アーラーダの元弟子プックサ(マルラ族出身の貴族)、仏陀に出会い感銘を受けて帰依 仏陀、プックサから送られた金色の衣服を着ると光明に包まれる「大いなる涅槃に入る夜が来た」 仏陀、カクッター河で水浴 仏陀、クシナーラー郊外のヒラニヴァティー(またはヒランニャヴァティー)河の畔へ 仏陀、マルラ族のサーラ双樹の間に北枕して休む サーラ双樹、時ならぬ満開の花を咲かせ、仏陀に雨と花が降り注ぐ 各地から弟子たち不可視の神々集まり、仏陀の入滅を嘆く 仏陀、別れに際しアーナンダを呼び寄せその行いを褒め讃える 仏陀、マルラ族の貴族たちを招待→公務中の貴族たち、地に倒れて嘆き一家そろってサーラ林へ 異端の苦行者スバッダ、仏陀への面会を求めアーナンダーに断られる 仏陀、スバッダを呼び寄せ「八種の道」を説きスバッダの迷いを解く スバッダ、仏陀最後の弟子となりアルハット(聖者)の位に達する 仏陀、集まる弟子たちに疑いのない事を見て最後の説法「生存の本性は無常」 仏陀、瞑想に入り大いなる涅槃(パリニッパーナ)へ 大地震え雷轟く インドラ神とブラフマン神、詩句を唱え「作られたものは無常、解脱は至福」 弟子アヌルッダ、弟子たちを戒める クシナーラーのマルラ人、6日間仏陀の葬儀 7日目 アヌルッダの指示により東の都門前に火葬場を築き遺骸を火葬 遺骨、聖物として8つに分けられ、生存中親しかった王・貴族に与えられる 人々、仏陀の遺骨を塔の中に安置し礼拝するようになる |
史実
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仏陀伝説 |