ファンタジーな地名辞典

クリスタニア

分類:異郷
交通:不可
 
 はるか昔、始源の巨人から生まれた神々は世界(フォーセリア)を創り、その完成を目前に光と闇に別れて相争った。完成間際だった世界は荒廃し神々は肉体を失って世界に干渉する力を失ったのだった。
 しかし、月の神フェネスを中心とする中立神たちは光と闇の争いに加わらず南洋の大陸クリスタニアに降り立ち、神殺しの竜の目を避けるために神の肉体を捨て獣にその魂を宿らせ神獣となった。神獣は、クリスタニア大陸だけでも完成された世界とするために大陸を天の高みに押し上げ、結界で外界と隔絶させ、「周期」と呼ばれる同じ時代をくり返し同じ生をくり返す時間軸で支配した。
 クリスタニアの人々は、それぞれ仕える神獣ごとに別れて部族単位で住み分け、クリスタニアの完全性を維持するために神獣の役割を受け継いで暮らしている(1)。彼らの中には神獣に選ばれてその力を生まれ持つ獣人(2)がおり、特に神獣の加護を受けた者として部族を率いている。
 だが、ある時に慈愛の女神"純白の大白鳥"フーズィーが周期を離脱。自身の支配地域を海の高みに戻した(3)。さらに、その数百年後に漂着した「暗黒の民」の願いを聞き届けた支配の神"密林の猛虎"バルバスもまた周期を離脱(4)。自身の支配地域周辺を海の高みに戻しベルディア帝国が建国した(5)。その数百年後には無人のダナーンにフーズィーの導きにより新しき民が漂着し、ダナーン王国を建国。クリスタニアの周期による完全性が徐々に破綻しはじめ、ついに神獣たちは会合を開き周期を放棄、大陸を海の高みへ戻した。
 周期の突然の消失にクリスタニア全土が混乱、さらに皇帝戦争・封印の解除と大きな事件が続発したため、"獣の牙"(6)などの新世代の神獣の民による新しい社会造りがなされ、神獣たちはその動向を見守っている。世界を人の手にゆだねるべきか、再び周期による神の手に戻すべきなのかを。

 水野良原作「クリスタニア」シリーズの背景世界です。
 本来は異世界フォーセリアの中の一大陸なので「世界」を語るならフォーセリアを出すべきですが、ちょっとした興味で映画見て「おぉ、結構好みの世界だわぁ」とハマってしまいましたのでここに登場です。フォーセリア世界の中でもかなり特殊な地域ですのでよしとしましょう。うん。
 

参考
「クリスタニア」シリーズ
「クリスタニアRPG」シリーズ
水野良とグループSNE 著 メディアワークス
映画「はじまりの冒険者たち レジェンド・オブ・クリスタニア」
OVA「レジェンド・オブ・クリスタニア」シリーズ
水野良 原作 中村隆太郎 監督

2005.7.10.
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(1) こうした神獣に仕える人々を一括して「神獣の民」と呼び、神獣に仕える事を拒否した一部の人々を「古の民」と呼ぶ。
 「神獣の民」はさらに出身部族ごとに「銀狼の民」とか「封印の民」とか呼ばれる。
(2) 神獣の眷属への変身や、獣特有の能力・神獣の加護する力の一部などを操る人々の事。
(3) これはフーズィーが、自身に仕える大白鳥の民を救おうとしたためと言う。しかしこの結果、大白鳥の民は外から来た混沌(=疫病)にやられ全滅してしまう。
(4) 神獣バルバスは、彼らに土地を提供する代わりに漂流王の肉体に乗り移り中立神を率いる神王となろうとした。
 …と言う事はこの世界では人間は他の生物より神に近い生物と言う事なんだろうか。
(5) 外から来た暗黒の民とバルバスに仕える猛虎の民とによる帝国は、神王バルバスの力を持って周辺の神獣の民やクリスタニア本土に侵略戦争を開始。クリスタニアの周期に大打撃を与えた。
(6) もともと対ベルディア用に結成された神獣の民による混成部隊。それまで他の部族との関係が薄かった神獣の民が始めて共同活動した傭兵隊のようなもの。「新しき民」の外来文化の影響から独立組織として結束し始める