ファンタジーな地名辞典

ドオンブリカ

分類:国/異郷
交通:惑星直列現象の間のみ可能(例外あり?)
 
 NHK人形劇「プリンプリン物語」に登場した四次元の彼方にある国。
 その昔、カッタルカ(1)近郊の山奥に存在していたが、数百年に一度起こる惑星直列(2)の影響を受けて、突如時間の霧の中に巻き込まれ永遠に四次元を彷徨うこととなった。
 ドオンブリカは、地球から切り離されたため中世期の世界をそのまま継承してる他、大悪魔に魂を売った魔女が実在したり(3)、昼と夜が不規則に現れたり、時間の霧によって人が消えたり現れたり、過去と未来が適当に(ホントにてきとーに)こんがらがったりする。
 ドオンブリカの人々は、空に浮かぶ地球を「悪魔の星」、地球人が入ってくると「悪魔」「魔女」などと呼ぶ。特に、産業革命以降の機械文明には極端な恐怖を感じるよう(4)。悪くすると、魔女裁判にかけられて殺される可能性もあるが、裁判所発行の「良い魔女証明書」があれば普通に暮らしていける。
 また、ドオンブリカの端には時間の霧が立ちこめている場所があり、そこ入り込むと3次元半などの予測不可能な世界に迷い込んでしまう(でもエレベーターで帰ってこれたりする)。
 
 「プリンプリン物語」は、1979年〜1982年までNHK総合で全656回放送された人形劇です。
 NHK人形劇では初となる友永詔三 作による球体間接人形が採用され、独特の魅力を持つシュールギャグ・ミュージカル(?)として人気を博しました。インド風のレギュラーキャラ(5) が主人公プリンプリンの故郷を探して、奇妙な国々を旅する物語で、ドオンブリカもその旅の途中に出てくる一国です。
 ドオンブリカ編は番組中盤(6)に登場するエピソードですが、現存する「プリンプリン物語」は443回以降のみとなってしまっているために、再放送されるシリーズの中では最初のメインエピソードとなってしまってます(7)
 とは言え、ぶっ飛んだキャラクター群と四次元世界ドオンブリカの魅力から非常にインパクトの強いお話となってます。特に魔女のデザインの異様さったら、もう…。

参考
「プリンプリン物語」
石山透 作 NHK 製作

2008.5.21.
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(1)物語上、特に地球のどこと言ってないけども、漠然と書かれた地図やインド風な登場人物の数々からインドの一都市と思われる。
 …て言うか、明らかにカルカッタのもじり。
(2) 太陽系の全惑星が一直線に並ぶ現象。重力バランスの影響からか、無数の不可思議な現象が起こると言う。この現象が発生した時のみ、ドオンブリカへ通じる時間の霧が発生しドオンブリカが 地球とつながるようになる。この現象は数百年に一度と言う事だが、後の方になると1年に1度は起こるような事を言っていた。
(3) 大悪魔の名前がメフィストフェレスである事から、ドオンブリカのストーリーは「ファウスト」がモチーフになっているらしい。
(4) と言いつつ、「魂吸取り機」なる謎の機械を使う魔女や、物を黄金に帰る機械を発明した天才なんかもいたりする。
(5) レギュラー悪役「ランカー」が出てくるあたり、インド叙事詩「ラーマーヤナ」がモチーフとなっているらしい。
(6) 458回〜504回。シリーズ中比較的長いお話。
(7) 放送機器の規格・費用や著作権の関係から、1981年までNHKは番組フィルムの保存がなされず制作フィルムの再利用が行なわれていた。このため、「プリンプリン物語」のシリーズ前半はフィルムが現存していないそうな。保存テープの発掘と修復が待たれるんだけど…。お願いします、ホント。特に人気が高かったと言うアクタ共和国編が見てみたいもんです。いや、できるなら全話見たい! (再放送視聴者の声)