ファンタジーな地名辞典

胃の頭町

分類:都市
交通:可能
 
 諸星大二郎作のマンガ「栞と紙魚子」シリーズの舞台となる街。「いのかしら」ではなく「いのあたま」と読む。
 中央を股川上水が流れ、近くには首山町・耳鳴町・腸腑市がある。最寄駅は胃の頭線の鬱状寺・胃の頭・身肩台など。特に言及はないものの以上の事を見れば東京のどこか…にある街であろう。
 とにかく年がら年中、妙な事件の絶えない場所。バラバラ死体が出たと思えば、本好きの集まる古本地獄屋敷やらお化け鳥居やら、子供を口の中で保護するおばさんたちが楽しく午後を過ごす胃之頭公園にはベビーカーを押す幽霊やら最強無比の女の子(?)やらが現れる。
 とは言っても、住民一同特に怖がるでもなく深刻ぶるでもなく異常な日常をごく自然に受け入れている。もっともその原因の大半は妙な住人たちのおかげで一般人にはいい迷惑のようではあるが。
 町中には異空間につながる路地もあり、ゼノ奥さんのお屋敷だの"夜の海"だののシュールな世界に迷いこむ事もある(もっとも、バスで帰ってこれる)
 
 妙なシュールさとスットボケ具合がいい味を出している胃の頭町。元ネタとなる町がどこかなんて言わずもがな。1・2巻にはちゃんとマップまでついています。

参考
「栞と紙魚子」シリーズ
諸星大二郎 著 朝日ソノラマ刊
2004.3.14.

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