「きっと、うまくいく(3 Idiots)」の原作者チェータン・バガットの同名小説の、ヒンディー語(*1)映画化。ボリウッドからの、南北インド(タミルとパンジャーブ)の違いとつながりをテーマにした作品。ポスター等には「2 States one love...」とも表記されている。
08年の「Jodhaa Akbar(ジョダーとアクバル)」の助監督として映画界に入ったアビシェーク・ヴァルマンの、初監督作となる映画であり(*2)、プロデューサーには、アビシェーク監督が助監督時代に参加していた映画の監督を務め、アーリア・バットの映画デビュー作「スチューデント・オブ・ザ・イヤー(Student of the Year)」を手掛けたカラン・ジョハール、本作と同じくアーリア・バット主演作「Highway(ハイウェイ)」他でプロデューサーを務めていたサジード・ナディアードワーラーがついている。
日本では、2020年にNetflixにて配信。
主役クリシュを演じたのは、ボリウッド最大の映画一族カプール家出身のアルジュン・カプール。
父親は名プロデューサーのボニー・カプールで、母親もプロデューサーでフューチャー・スタジオCEOを務めた故モナ・ショーリエー・カプール。妹にグーグル・インディアで働くアンシュラー・カプールがいる。96年の両親の離婚後、父親ボニーと結婚したシュリーデーヴィーが継母になる。
1985年ムンバイ生まれで、02年の「Shakthi: The Power(シャクティ・ザ・パワー)」の助監督として映画界入り。07年に助監督で参加していた「Salaam-e-Ishq: A Tribute To Love(愛よ、こんにちは)」でカットされたシーンに出演した後、12年「愛の申し子(Ishaqzaade)」で役者&主演デビューを果たして、スターダスト・アワードのスーパースター男優賞とズィー・シャイン・アワードの男優デビュー賞、BIGスター・エンターテインメントの娯楽映画男優デビュー賞を獲得する。翌13年「Aurangzeb」の出演を経て、本作公開の14年には「ならず者たち(Gunday)」「ファニーを探して(Finding Fanny)」にも出演している。
なんでも、子供時代には体重140sの肥満児だったとか、学業不信や両親の離婚などで鬱屈した時期もあったそうな。
ヒロインのアナーニヤーを演じたのは、やはり映画一族出身の女優兼歌手アーリア・バット。
1993年ムンバイにて、映画監督兼プロデューサー兼脚本家のマヘーシュ・バットと女優ソニー・ラズダーンの間に生まれ、99年の「Sangharsh(あがき)」で子役出演した後、12年にカラン・ジョハール監督作「スチューデント・オブ・ザ・イヤー(Student of the Year)」で本格的に映画&主演デビュー。14年には、本作の他「Highway(ハイウェイ)」、歌も担当した「Humpty Sharma Ki Dulhania(ハンプティ・シャルマーの花嫁)」、短編映画「Going Home」、カメオで「Ugly」にも出演と言う活躍っぷり。
クリシュの母親カヴィタを演じるのは、「ラジュー出世する(Raju Ban Gaya Gentleman)」でセカンドヒロインを演じていたアムリター・シン。「ラジュー」の頃からすると隔世の感のある本作での恋愛模様を、メチャクチャにかき回しまくる気っ風のいいおかんをこれでもかと演じてくれていて、本作でフィルムフェア助演女優賞ノミネートしている。
クリシュと対立する父親ヴィクラム役には、「スチューデント・オブ・ザ・イヤー(Student of the Year)」にも出演しているローヒト・ローイ。結婚の最大の障壁となる父親像を演じきってやはりフィルムフェア助演男優賞ノミネート。なんでも、ローヒト・ローイ自身も学生時代には、本作前半の舞台となるグジャラート州アフマダーバードで生活していたんだそうな。
一方、アナーニヤーの母親ラーダー役には、ケーララ州コーチ出身の女優兼映画監督兼社会活動家レーヴァティ(本名アーシャ・クッティ)。主にタミル語、マラヤーラム語映画で活躍している人で、カンナダ語、テルグ語、ヒンディー語映画でもたくさんの出演歴を持つ。02年に初監督作の英語映画「Mitr, My Friend」でナショナル・フィルム・アワードの英語映画注目賞を受賞している映画監督でもあり、日本公開作では「マルガリータで乾杯を!」で主要キャラ出演してるので、要チェック!
アナーニヤーの父親シヴ役を演じたのは、役者兼脚本家としてヒンディー語映画で活躍するシヴ・クマール・スブラマニアム。90年のヒンディー語映画「Parinda(鳥)」でフィルムフェア脚本賞を、06年の「Hazaaron Khwaishein Ais」で原案賞を獲得している人とのこと。