過去のカラン・ジョーハル監督作と共通する大規模海外ロケ、多数の大物ゲスト出演、セレブ同士の洒脱な会話から発展する恋愛・友情模様、数々の過去のボリウッド名作オマージュ…などを踏襲しつつ、本作物語でその骨格となる「男女の友情は成立するか」「友情が愛に勝りえるか」と言うテーマは、「愛とは、友情のこと」と言い切った初監督作「何かが起きている(Kuch Kuch Hota Hai)」に対する新たな一解釈を加えてきているよう。
監督を務めたカラン・ジョーハルは、1972年マハラーシュトラ州ムンバイ生まれ。父親は映画プロデューサーであり、映画会社ダルマ・プロダクション創始者でもあるヤーシュ・ジョーハル(*6)。母親ヒロー・ジョーハル(旧姓チョープラー)は、ヤシュラジ・フィルム創始者ヤーシュ・チョープラーの妹(姉?)になる。
ムンバイのH.R.商学&経済大学にてフランス語の修士号を取得。その学生時代にTVドラマ出演で俳優活動を始め、シャー・ルク・カーンやアディティヤー・チョープラーと親友になっていたそう。
95年に、そのアディティヤー監督デビュー作&シャー・ルク主演のヒンディー語映画「DDLJ 勇者は花嫁を奪う(Dilwale Dulhania Le Jayenge)」で助監督兼衣裳デザイン兼出演して映画デビュー。98年には、父の映画会社製作の「何かが起きている」で監督&脚本デビューし、ナショナル・フィルム・アワード驚異的人気娯楽作品賞他数々の映画賞に輝き、一躍ボリウッドのメインストリームに躍り出る。
その後、験担ぎに「K」を頭文字につけた監督作を連発する他、03年には「たとえ明日が来なくとも(Kal Ho Naa Ho)」でプロデューサーデビューし、監督業とプロデューサー業、さらに衣裳デザインなどで活躍している。04年からは、ボリウッド・セレブを招いたTVトークショー「Koffee with Karan(カランとコーヒーを)」の司会としても人気を博し、06年のミス・ワールド・ワルシャワ大会の審査員を務めたり、世界経済フォーラムの文化的リーダーとして招待されたりと、世界的な活躍を見せている。
現在に至るまで独身ながら、代理出産による1男1女の父親でもある。