Alludu Seenu 2014年 151分
主演 ベラムコンダ・スリーニーヴァース & サマンタ
監督/脚本 V・V・ヴィナーヤク
"問題は解決した。お前はハッピー、我々もハッピー、ボスもハッピーだ"
その日、刑務所から出所した男たちは「我々の人生を破壊した、"あの男"を殺すことを誓う!」と宣言していた。その男の名は…
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とある田舎で育ったカバディ王者シーヌーは、叔父ナラシンハが村中で作った借金を捻出するためにその伯父と一緒に村を抜け出し、チェンナイからドバイに渡って一旗あげようと旅立っていく。しかし、2人が寝込んでいる間に到着したのは…なぜかハイデラバード!
大都会ハイデラバードの人々は、田舎出の2人に対し早速あの手この手で有り金全部を盗み出そうとするも、街を支配するドン バーイが叔父とそっくりなのを知ったシーヌーは、逆にコソ泥連中を巻き込んで一攫千金の計画を発動させる…彼は、叔父ナラシンハをバーイその人に変装させて、セレブたちから有り金全部を巻き上げようと言うのだ!!
その様子を見かけたバーイの義娘アンジャリは、父(と思い込んだ男)と仲睦まじいシーヌーが噂のドバイ在住の婚約者ローヒトだと勘違いして「あなたが私にふさわしいかどうか、テストしてみましょうか」とふっかけて来る。シーヌーも、一目惚れした彼女のためにローヒトをノリノリで演じてしまったからさあ大変…!!
挿入歌 Ori Devudo (ああ神様!)
タイトルは、テルグ語(*1)で「(義理の)息子シーヌー」。
叔父のシーヌーへの呼びかけで使われる通称の意と、アンジャリの彼氏となったことでバーイから見て「娘婿」になった意味、さらに名プロデューサーの「息子」のデビュー作にかけた意味…かしらん?(*2)
映画製作会社スリ・ラクシュミー・ナラシンハ・プロダクションを率いるプロデューサー ベラムコンダ・スレーシュ製作で、彼の息子のモデル ベラムコンダ・スリーニーヴァースの映画デビューを飾るアクションコメディ映画。
そのミュージカルシーン撮影には、ドバイ、イタリア、日本ロケが敢行されたことでも話題に。
とにかく、大型新人ベラムコンダ・スリーニーヴァースの映画デビューを飾るためにこれでもかと詰め込まれたカッコ良さの詰まった一本。
登場シーンから、水を張ったカバディコートに垂直に降りてくる(*3)意味わからん印象的絵面に、「やべえ、カッコEEEEEー!!w」となっちゃうスリーニーヴァース推しの強い、スリーニーヴァースのための、スリーニーヴァース圧の強いシーンが連続する映画で、ノリノリのミュージカルシーンは映画全編に満遍なく配置され、アクションにしろダンスにしろ、その長い手足を俊敏に振り回すスリーニーヴァースのパフォーマンス力の高さを存分にアピールするシークエンスも満載。かなり特訓したんだろうなあ…というエネルギーの濃さを感じる2時間半ですよ!(*4)
その主役シーヌーを演じるベラムコンダ(・サイ)・スリーニーヴァース(またはサイ・ベラムコンダ・スリーニーヴァス)は、1993年アーンドラ・プラデーシュ州グントゥール県グントゥール生まれで、ハイデラバード育ち。
アメリカのリー・ストラスバーグ演劇&映画研究所とインドのバリー・ジョン演技スタジオで演技を特訓。モデル業と短編映画出演を経て、父親のプロデュースする本作で長編映画&主演デビューして、フィルムフェア・サウス新人男優賞を獲得。以降もテルグ語映画界で主演男優として活躍中。
監督を務めるのは、テルグ語映画界の名匠V・V・ヴィナーヤク(別名ヴィナーヤク・V・V。生誕名ガンドロトゥ・ヴェーラ・ヴェンカタ・ヴィナーヤク)。
02年のNTR Jr.主演作「Aadi(アーディ)」で監督&脚本&原案デビューし、ナンディ・アワードの新人監督賞を獲得(*5)。本作は13本目の監督作。
03年の監督作「Tagore(タゴール)」で端役出演したのを始め、数本の映画で役者としても活動していたりする。
新人スリーニーヴァースを助けるためか、ヒロイン演じるサマンサはいつも以上に可愛く、一人二役で善悪両方の父親役を演じ分けるプラカーシュ・ラージの演技は全くの別人のごとく演じ分けてくれる。何人も投入されるコメディアンたちのお笑い演技は畳み掛けるようで、それぞれに映画での役割を徹底的にスリーニーヴァースに教え込むかのよう。
特にプラカーシュ・ラージの一人二役のオーラが周りを圧倒しているようで、インド映画で多用されまくる一人二役システムの良い所が存分に発揮されているよう。善悪両方の父性キャラを1人に演じさせる楽しさが、映画の楽しさに通じて行くところがイキだね! その二役での会話シーンやアクションシーンも、よーできてるわホント。
アンジャリの出生の秘密やナラシンハとバーイの関係、復讐に燃える男たちの正体などなどの伏線は、そこそこ早い段階でバラしちゃう軽快でスピーディーな展開ながら、それゆえに主人公シーヌーの解決策のスピーディーさもパワーアップしていって、ヒーロー性がどんどこ上昇する勢いで押し切るストーリーテリングもまた良し。
そういや、アンジャリの家族背景については色々に設定が出てくるけど、主人公シーヌーに関しては両親は登場せず、叔父ナラシンハを除いて家族らしい家族の言及がないのは、物語上の対比構造とベラムコンダ・ファミリー映画への皮肉ってやつ?(しなくてもいい深読み)
挿入歌 Whats up Antu (一体どうしたんだ [君の悪戯心が、僕を動かす])
*日本ロケのトリウッドミュージカル!
相変わらず、外国人はロボットレストランが好きよねえ…。
受賞歴
2015 Filmfare Awards South 男優デビュー賞(ベラムコンダ・スリーニーヴァース)
「AS」を一言で斬る!
・サマンタが、壁ドンしとりましたですよ各々方!
2019.5.1.
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