本作が主演デビューのラーディカー・アプテーの快活さ、名優に囲まれながら堂々と自身のオーラをアピールしている所も見どころ。なんとなく、イメージ的にはマラヤーラム語映画「チャーリー(Charlie)」の主役テッサを演じていたパールワティを彷彿とさせますわん。
「ミスター&ミセス・アイヤル(Mr. and Mrs. Iyer)」や「妻は、はるか日本に(The Japanese Wife)」などの監督としても有名なアパルナ・セーンの、女優としての姿が存分に味わえるのも魅力。長い台詞劇のシークエンスでも、それぞれの登場人物たちの想いや本音と嘘、その時々の感情の流れが映像的にラストへ積み上げられていく繊細さがスンバラし。これが限られた製作予算で作られてるってんだから、驚きですわ。映画の作り方もまだまだいろんな可能性を感じさせまする。
ラストの、昨日とは違う日常の始まりを予感させる寂しさと、それでも日常を続けていく人々の麗しさの、なんとも詩的な姿は必見ですわ…。
挿入歌 Pherari Mon (まだ今日は、密かな荒ぶる心が残っているよう)
受賞歴
2009 National Film Awards 作品賞・撮影賞(オビク・ムコーパダヤーイ)・作詞賞(オニンドヤー・チャタルジー & チャンドリル・バッタチャルヤー / Pherari Mon...)・女性プレイバックシンガー賞(シュレーヤー・ゴーシャル / Pherari Mon...)