Bujjigadu 2008年 146分(150分とも)
主演 プラバース & トリシャー & サンジャナー
監督/脚本/原案/台詞 プーリ・ジャガンナート
"ブッジィが誰かわかる? 彼は、私の鼓動、愛、家族…世界そのものよ"
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12年前。
ヴィシャーカパトナムで生まれ育ったブッジィとチッティは、お隣同士の幼馴染。しかし、とある喧嘩がもとで「12年間口も聞かないで」とチッティに宣言されて友情に終止符が打たれてしまった。
ブッジィは、チッティの「もし、12年間別々に過ごした後に再会できたなら、結婚してもいい」と言う言葉を信じて、その日の晩に家を出て行ってしまう。我が子の失踪についてチッティを激しく責めるブッジィの両親に耐えきれなくなったチッティ家もまた、家を引き払い早々に一家でハイデラバードへ引っ越してしまうことに…。
そして現在。
チェンナイでいっぱしの不良青年に成長していたブッジィは、ついに約束の時が来たと喜び勇んで故郷に帰ってくるも、親友サティ(自称トーキョー・ジャーニー)のヘマのせいで一緒に逮捕され、そのまま服役することに!!
チッティに会うためにはそんなことはしてられないと脱獄の機会を伺うブッジィに、同じ服役囚から「ある男の殺人を請け負うなら、脱獄を手伝うし恋人との結婚資金に1カロール(=1千万ルピー)払おう」と持ちかけられたことで…。
挿入歌 Talaiva (彼は、人々を導く開拓者)
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*過去のラジニ映画を所々にインサートしつつ魅せる、ラジニファンたちの饗宴の舞!
チェンナイ育ちだからラジニ好きって言う、直球キャラ付けで盛り上がるファーストミュージカルですが、その後特にこの設定は生かされないまま映画は終わります…。
テルグ語(*1)映画界で活躍するプーリ・ジャガンナート16本目の監督作。タイトルは、主人公の名前。別題「Bujjigadu: Made in Chennai」とも。
後にタミル語(*2)吹替版「Kumaran Rajini Rasigan」、ヒンディー語(*3)吹替版「Deewar-Man of Power」、マラヤーラム語(*4)吹替版「Rudran Mr Munna Made in Chennai」、15年にはバングラデシュでリメイク作「Pagla Deewana」も公開された。
出だしの子供時代の思い出話は爽やか青春ものを期待させる語り口ながら、本編が始まるとドタバタラブコメ+マフィア抗争映画へと早変わり。2つの陣営をコロコロ行き来しながら、ヒロインを追いかける主人公ブッジィの変わり身の早さが楽しいお話ながら、いつものジャガンナート監督作に比べると、ややコメディ・ロマンス・抗争劇が噛み合ってないまま話が進行してる印象を受ける。ミュージカルシーン以外にも多用される特徴的なフレーム演出が斬新ながら、なんか微妙にいつもカメラがフラフラ動きすぎてる感も拭えず。
そのドタバタ感が全編貫いた話芸コメディアクションな映画の中で、わりときっちり純情一路なケンカバカやってるブッジィがそれでも魅力的に見えてくる所なんかは、演出以上にそれにしっかり答えるプラバースの魅力全開映画だからでしょか。
いくら幼馴染の大親友とはいえ、あの後チッティと正式に恋人同士になったとしても、なんかまた色々と問題起こして周りが苦労する未来が見えてきそうな…気がするのは気のせいか。まあ、その周りの人間たちも、チッティ含めてわりと能天気なので人死にが出ても「しょうがないなあ、もう」とか言って問題解決にノリノリで乗り出しそうではあるけれど。
そのブッジィを取り巻く主要登場人物の1人、ヒロイン チッティの妹カンガナーを演じるは、1988年カルナータカ州バンガロール(*5)のシンディー家系(*6)生まれのサンジャナー(・ガルラーニー。生誕名アルチャーナー・ガルラーニー)。
妹に、やはり女優のニッキー・ガルラーニーがいる。
12才からモデル業で活躍し、多数のCM出演を経て「Soggadu」「Panduranga Vittala」と言う2本の映画に子役出演。06年のカンナダ語(*7)映画「Ganda Hendathi(夫と妻)」で主役デビューする。08年の本作でテルグ語映画デビューとなり、12年には「Casanovva(カサノヴァ)」と「The King & the Commissioner(キング&コミッショナー)」でマラヤーラム語映画デビューもしている。以降、カンナダ語映画とテルグ語映画界で活躍。19年には「Boxer」その他でタミル語映画デビュー予定とか。
映画の他、Webドラマシリーズ、サイクリング、アクロヨガ(*8)でも活躍。16年にはGMASAソーシャルメディア・セレブアイコン賞を獲得している。
多数のコメディアンや悪役キャラの登場や、出だしのジェイルもの展開なんかが、話自体は全然違うけどジャガンナート監督の1本前の監督作「Chirutha(チルタ)」を思い起こせる感覚もあり。なんとなく、売れ線と新規性の両立に色々迷走しながら面白ネタを色んな方向性で探ってる感じにも見えてくるかなあ…。まあ、中には「そのネタでウケようとするのは色々大丈夫なの?」ってギリギリなラインも出てくる感じなのは、それはそれで良きかな。
チェンナイ育ちゆえに無類のラジニファンという主人公設定が、前半くらいにしか生かされてないのはなんやねん、って感じではあるけれど、ハイデラバード人にとってチェンナイって所はどんなイメージの街に思われておるんでしょうかのぅ。気になるような…そうでもないような。ムゥ。
挿入歌 Sudu Sude (見てくれ [スッブ・ラクシュミーよ])
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*トリシャー、カワイイ! ペンギン他の動物もカワイイ!!
「Bujjigadu」を一言で斬る!
・ハイデラバードでは、業者に頼めば携帯番号から個人情報ってそんな勝手に引き出せんのん?(有力者の手下特権ってやつでしょか)
2020.3.14.
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