チャンドニー・チョーク・トゥ・チャイナ (Chandni Chowk to China) 2009年 154分 宇宙からも見える広大な建築、中国は万里の長城。 その傍らに、永く救国の英雄 劉勝(リウ・シェン)の伝説を語り継ぐ村があった。 しかし現在、この村は北条(発音もホージョーだけど中国人!)によって牛耳られ、村人は過酷な労働を強いられている。 村人たちは、密かに祈祷師の予言に従い、決死の覚悟で村の英雄 劉勝の生まれ変わりを探し始める…。 一方、こちらはインドの首都デリーの下町。 日がな一日大衆食堂の厨房で野菜を刻み、ナンを焼き、食材を運ぶだけの人生をおくる大凶男シドゥ。そんな彼は、一発逆転の幸運を呼び込もうと、街中の占い師から幸運グッズを買いあさるが、知り合いの中華系エセ占い師のハシ導士(=チョップスティック)からは「お前の前世は蚊だ!」とののしられる始末。 ある日、街中で出会った中国人は彼を見て大騒ぎ。シドゥはさっそくハシ導士に通訳を頼むと「彼は、我が村を救った英雄 劉勝の生まれ変わりだ!」と宣言されてしまう! シドゥは乗せられるまま、ハシ導士と中国行きを決意する。 一行の中国行きは、CMモデルのサキ、サキそっくりの北条の手先ミャウミャウなども巻き込んで、すぐに敵の知る所となる。英雄と祭り上げられたシドゥだが、クンフー使いの北条の前には成す術もなくやられてしまうのだった…。 挿入歌 Chandni Chowk to China (月光通りから中国へ) 通称「CC2C」。2009年、ワーナー配給で日本にボリウッドがついに上陸! 東京で公開され、日本語版DVDも絶賛発売中! インドの首都デリーの下町チャンドニー・チョーク(月光通りの意)から中国を舞台にした、印流武侠映画なのだ!(実際の撮影は印中の他にタイでも行われたそうな。そういや、時々そっち系の仏像が写ってるね) 主役を張るのは、若手ナンバー1の人気を持つ武術家俳優アクシャイ・クマール(通称アッキー)。ヒロインは、サキとミャウミャウの1人2役を演じる、ポスト・アイシュの呼び声高いディーピカ・パドゥコーン。セクシーなチャイナドレスの着こなしが、おウツクシ〜。 敵役の北条を演じるは、中国のカンフー俳優の雄 ゴードン・リュー。なんで中国人なのに"北条"なのかというツッコミはスルーです。だってインド映画だもの。みつを。(北姓の条さん、と言うことなんだろか?) シドゥの親方には、インドの元祖武道家俳優ミトゥン・チャクラボルティ。かつての名武道家から今の武道家へのバトンタッチの映画としても見所満載(*1)。 「下町育ちの心意気を見せてみろ」「1回練習した技は1万回出されて大丈夫だが、1万回練習した技は1回でも危険だ」など、武侠映画的な名台詞もポンポン出てくるあつ〜いアクション映画。 一方で、前半のチャンドニー・チョークを舞台にしたコテコテのコメディは、泥臭くB級臭がプンプン。 アクシャイも、出っ腹にチョビひげ。すぐにまばたきし続けるは、ダサい弱いバカっぽいと、人気俳優にあるまじきコメディリリーフな役を好演(*2)。 ミュージカルシーンもそこそこあるものの、全体的にはおとなしめ。ニキル監督作の特徴でしょかね? それでも、本場中国の撮影セットの中で踊るディーピカとアクシャイはカッコええわぁ〜。 物語的にもB級映画っぽいけど、設定よりもノリ重視で客を楽しませる創意工夫に全力を傾ける所がいかにもボリウッドでござい(ノリが完全に少年マンガ的だね!)。 中国で本格的にロケが行われた初めてのボリウッド映画だそうで、公開されるやインド・アメリカで大好評。特にインドでは、週間売り上げ1位をたたき出したそうな(*3)。 大衆食堂での格闘戦やら、ワイヤーアクション修行、立てかけてある竹柱の束をまた立てかけ…じゃなくてドミノ倒しにしたりと、昔懐かしの武侠映画のパロディも満載(ま、このバカ映画のノリが嫌いって人もいるのは、とても良くわかるけど…)。 しっかし、ここに出てくる中国人の顔が、どーも志村喬とか笠智衆に見えてしまうのは何故だろう…。 ED CC2C
受賞歴
2010.5.22. |
*1 ミトゥンネタの過去作品のオマージュもてんこもりだそうだけど…未見なんでわからねーぜよ。 *2 …したために、日本ではどうも前半のシドゥのイメージが、アッキーについちゃったんじゃなかろかと不安…。 *3 同時期にやってた「スラムドッグ・ミリオネア」を軽く越える快挙。 |