Chandni 1989年 187分 *メラ ナーム チャンドニー ヘー 私の 名前は チャンドニー です。 …くらいは理解できる。うん。 ある友人の結婚式。 カメラマンとして出席したローヒト・グプタは、そこで(男子禁制の)女性部屋の中で踊る、新婦の親戚の少女チャンドニーに一目惚れする。 ローヒトの強烈なアタックに、次第にチャンドニーもその気になって行くが、ローヒトの母は身分差から結婚に反対! 義兄の助けでなんとか結婚を許してもらうも、花嫁チャンドニーをグプタ家はなかなか受け入れようとしない。 新婚旅行も終わり、グプタ家に入ったチャンドニーのため、ローヒトはヘリコプターで空から花の雨を降らせて彼女を驚かす。この演出に喜ぶチャンドニーだったが、その後にかかってきた電話は、ローヒトのヘリコプター事故を知らせるものだった!! シュリーデーヴィーの古典舞踊シーン *チャンドニーとの思い出に揺れるローヒトの、心象風景に現れる舞姫チャンドニーの図。 古典舞踊の名手と言うシュリデヴィの晴れ舞台を御覧あれ〜。 タイトルは「月光」の意味…だけど、ここではヒロインの名前。「月子さん」とか「ムーンチャイルド(幼心の…ふごふご)」とか言っておこう。うん。 80年代ボリウッドを代表する名作であり、ヒロインを演じたシュリーデーヴィーの代表作でもある。 基本は、直球ラブロマンスな映画ながら、全てのシーンは、当時人気絶頂期を迎えていた"クイーン・オブ・ボリウッド"シュリーデーヴィーの魅力をあます所なく伝えるために構成されている! 踊り、演技、その美貌(今見ると、化粧が濃すぎるけど…)、喜怒哀楽の表情。ミュージカルだけでも10曲を数え、そのほとんどがシュリーデーヴィーの1人舞台。 劇中、ローヒトが壁中に貼付けたチャンドニーの写真の、なんとカッコ良く美しいことか!(*1) まさにシュリーデーヴィーのプロモ映画としても1級品。それが嫌みにならないのは、彼女の演技力&舞踏力ゆえ…でしょか? ま、お話自体は、運命に翻弄され、男2人から言い寄られてさめざめと悩む少女……と言う昔々の少女マンガ的なわけだけど(製作年のわりに、70年代の匂いがする…)。 それにしても男役の方は、今見るとけっこうムサ……げふげふん。 インド映画では、雨とか湿気と言うものは「恋の始まる予感」を連想させるものだそうで。滝・夕焼け・虹・風にざわめく木々・入道雲・鳥の群れ・またはそれらを連想させる色(のサリーや装身具)…などなどは、登場人物に芽生えた愛を現す、枕詞的なものなんだそうな。 太陽を「冷酷なもの」、月や雨を「麗しきもの」とするアラブやペルシャの詩の感覚に近いですなぁ。 この映画でも、雨季のスコールを通してチャンドニーの心の揺れ動きが表現されて行く。 土砂降りのスコールに全身水浸しになって踊るのは、なにもセクシーさを求めてるからではないんですなぁ…(ま、一石二鳥だからだろうけどさ!)。 本作では、主役のシュリーデーヴィーの他、リシ、ヴィノード、ゲスト出演のジュヒまでもが雨の中を歌い踊っております。びしょ濡れはそんなに楽しいのかー! 挿入歌 Mere Hathon Men Nau Nau Churiyan (腕輪9つ、身に着けて)
受賞歴
2011.2.10. |
*1 …にしてもCoolieの時も思ったけど、インドでは、好きな人の写真で部屋の壁全部を飾るのはみんなやるの? あれは映画内の誇張表現? |