インド映画夜話

Dhoom 2004年 123分
主演 アビシェーク・バッチャン & ジョン・エイブラハム & ウダイ・チョープラー
監督 サンジャイ・ガドヴィ
"ぶっちぎれ! 時速300kmの戦い!!"







 ムンバイにて、輸入バイク(スズキ製)の改造車に乗る4人組の強盗事件が多発。
 どこからか現れては、現金輸送車をターゲットに、信号機まで操作して消えて行くハイテク強盗団。警察がいくら追っても、改造された時速300kmオーバーのスピードに勝てる車はない。

 事件を担当するジャイ警視監は、町工場で違法改造したバイクを売るストリートバイクレーサーのアリーに目をつけて連行する。
 しかし尋問の間に新たな犯行が発生し、アリーの身の潔白が証明されてしまうのだった。
 勝ち誇るアリーに対し、彼の運転技術に目をつけたジャイは、過去の違法改造行為を不問にする代わりに、事件解決の協力を約束させる。

 過去の犯行位置から、ジャイは次の犯行がエクスプレス・ハイウェイ上で起こると予想し、アリーを含めた警官隊とともに張り込む。
 ジャイの推理は見事的中するものの、白昼堂々と現れた強盗団を逮捕する事は出来ず、取り逃がしてしまう…。

 強盗団のリーダー カビールは、徹底的に無駄を排して冷静に目標を追い求めるプロフェッショナルの盗賊。普段は仲間たちとピザショップの店員として身を隠しながら、逐一街の道路状況を観察している。
 先のジャイの追跡によって仲間一人を負傷させられたカビールは、ジャイに直接電話をかけて、次の犯行現場がチャリティー・コンサート会場であると挑戦状を叩き付けるのだが…。


挿入歌 Salaame (ようこそ!)



 04年に大ヒットを飛ばしたバイク・アクション映画!
 タイトルの意味は「騒音」とか「轟音」の意味。空前の大ヒットを受けて、2年後の2006年に続編となる「Dhoom 2」が作られている。

 しょっぱなから「隼」のロゴが美しいスズキのHayabusaが猛スピードでハイウェイをぶっ飛ばすわ、ユーロビート的なBGMに乗ってのカーチェイスありーの、スパイ大作戦なノリのプロフェッショナル盗賊団やら、とにかく若手スタッフたちからの「カッコいいとはこう言う事さ!」をてんこ盛りにした映画。その意味ではハリウッドの「スピード」に似てる。

 主演はアビシェークとジョンの「Dostana」コンビ。
 アビシェークのヒゲがないぃぃぃ! ジョンが細いぃぃぃ!! と、数年で「Dostana」コンビに変わるとは思えん2人にビックリ(にしてもアビ…、いつも同じような役柄を演じてるよね…)。でも後半、ニューイヤー・パーティーのホテル以降にアビシェークのヒゲが出てきてたのは、ジャイの「警察クビになっちゃった」演出なんだろか? いつもの見慣れた顔になっていた。

 ヒロインにはジャイの妻スウィーティー役にリーミー・セーン。ダンサーのシーナー役にイーシャ・デオール…なんだけど、ミュージカルシーンと言いセクシーシーンと言い、なんとなくとってつけた感があって「女優さんを綺麗にとりました」的なもんがあんまない。
 印象に残るのは、とにかくバイクの疾走シーンとアビシェークとウダイの掛け合い漫才。そしてジョンとアビシェークのシブ〜い激突! 最初っから最後まで、男の友情バトル映画になっている(バイク好きだとより楽しめる?)。

 後に作られる「Dhoom 2」にくらべると、低予算のためか、わりとインド映画特有の泥臭さやチープさが画面のあちこちに見られて、新旧世代が入り交じった感が強いものの、バイクアクションは"本気"と書いて"マジ"だゼ!(その意味では、この映画の大成功故に「2」があんなにもリッチな映画になったんだねぇ…)。

 エンディングを飾る、タイ人シンガー タタ・ヤンの「Dhoom Dhoom」も一見の価値あり!


ED Dhoom Dhoom(タタ・ヤン版英語リミックス)



受賞歴
2004 Star Screen Award 編集賞・BGM賞
2005 Filmfare 編集賞・音響デザイン賞
2005 IIFAインド映画批評家協会 悪役賞(ジョン・エイブラハム)・女性プレイバックシンガー賞(Dhoom Machale)
2005 Zee Cine Award 悪役賞(ジョン・エイブラハム)・女性プレイバックシンガー賞(Dhoom Machale)・年間ベスト歌曲賞(Dhoom Machale)
2005 Bollywood Movie Award 女性プレイバックシンガー賞(Dhoom Machale)
2005 Golden Indian Film 音楽監督賞・女性プレイバックシンガー賞・編集賞

2010.3.18.

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