ディシューム (Dishoom) 2016年 124分
主演 ジョン・エイブラハム & ヴァルン・ダーワン & ジャクリーン・フェルナンデス
監督/脚本/原案 ローヒト・ダーワン
"あんたは元からヒーローかもしれないけど、今は俺だってヒーローなんだ!"
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アブダビ開催のクリケットW杯決勝前夜、インド代表チームの得点王ヴィラージ・シャルマーが何者かに誘拐された!
インド当局に届けられた犯人からの脅迫映像には、2日後の印パ決勝戦まで彼をあずかるが試合自体は続行せよとの素顔の犯人からの要求が…。
試合まで36時間。それまでのヴィラージ救出を命じられた軍警察所属エージェントの“K”ことカビール・シェルギルは、UAEに派遣されるや事件担当チームを解雇させ、UAEの地理や言語に詳しいながら役立たずなインド系新人ジュナイド・アンサーリーを相棒に選んで地元警察たちを困惑させる…。
挿入歌 Sau Tarah Ke (無数の病気を患おうと [愛の患いに匹敵するものがある?])
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「スチューデント・オブ・ザ・イヤー(Student of the Year)」で俳優デビューしたヴァルン・ダーワンの主演作であり、「Desi Boyz(国産の男たち)」で監督デビューしたその兄ローヒト・ダーワンが監督を務めるヒンディー語(*1)アクションコメディ。
日本では、2017年にIFFJ(インディアン・フィルム・フェスティバル・ジャパン)にて「ディシューム〜J&K〜」のタイトルで上映。2022年のIMW(インディアン・ムービー・ウィーク)パート2では「ディシューム」のタイトルで、23年の神戸インド映画祭、同年のマーダム・オル・マサラでも上映されている。
いやー楽しい楽しい爽快なバディ・ムービーでありました。
インド人たちの誇りクリケットを話の中心に持ってきつつ、アクション&コメディに軽快な話術と意外なゲスト出演で盛り上がらせ、ヒロインが霞むほどのジョン&ヴァルン演じる主役二人のコンビネーションのパワーアップさに逐一見惚れる2時間ちょいでしたコトヨ。
監督デビュー作の「Desi Boyz(国産の男たち)」が「…?」な出来だったローヒト・ダーワン監督が、2本目でここまでサービス精神全開で激走アクション映画を作り上げるなんざ、業界の厚みはすごいなオイ! 最高だゼ!!
ポスターにもある、アラブの砂っぽい風景をバックに豪快なチェイスシーンの爽快さもインパクト大だし、アブダビの夜景や意外なゲスト出演で彩られるUAEの都会風景も新鮮。主役カビールとジュナイドの軽快なコンビ具合を、さらに加速させようと投入されるヒロイン(*2) イシカとの会話劇の軽快さが、適度にサスペンスとロマンスも入ってきて物語を盛り上げる。ホント、監督作2作目でよくもこんなツボを押さえまくった娯楽作を作れましたな監督ぅぅぅぅ!
撮影も、実際にアブダビでロケしたと言うし、バブリーなアブダビや辺境の闇市の喧騒みたいなオリエンタルな光景がこれでもかと投入されるのも見もの。なんでこう、インド映画は中東の風景をワクワクさせるように撮るのが上手いのでございましょ。
そんな風景の中をドスドス歩く重量級のカビール演じるジョンと、キャンキャン言いながらもついて回るジュナイド演じるヴァルンのテンポのいい掛け合いはいちいち楽しくてグイグイ話を引っ張っていって、どこまでも2人から目が離せないのが素晴らしか。しょーもない楽屋オチとか色々あるはあるけど、見てるだけで面白い2人のキャラが映画の全てを持ってった勝利につながってる感じ。個人的には、その2人の間で図太く軽やかに生きているイシカのキャラクターとしての楽しさだけでも、映画1本出来てしまうんじゃ…とか思えてきちゃうのでその辺よろしくお願いしまっす!
この映画に関してはもう、しのごの長々と語らずに映画のノリに任せてどんと楽しんで行きな! って感じの映画で、最近シリアス一辺倒な大作映画を作り続けるボリウッド業界において、こう言う全力エンタメ爆走映画がヒットしてるってのは、安心もするし次への楽しみが倍増するしで、やっぱ「楽しい」は大事だなあと思いますよ。今後、さらにそれぞれのシークエンスがパワーアップしていくことを期待して、お楽しみ映画の復権をどんどこ応援するゼェェェェェ!!!
ED Jaaneman Aah (Version 1 / 愛よ来て [私を抱きしめて])
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*意外なゲスト出演につき、超ネタバレ注意!
受賞歴
2017 Screen Weekly Awards コメディ演技賞(ヴァルン)
「ディシュ−ム」を一言で斬る!
・色んなことに都合が良すぎるだろうけども、とにかく登場する犬がカワイイのは正義!!
2017.12.22.
2023.4.6.追記
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