Laaga Chunari Mein Daag - Journey Of A Woman 2007年 137分 聖地ヴァラナシのガンガー河畔にある、古風な屋敷に住むサハーイ夫婦にはバルキーとチュトキーと言う娘がいた。 元教師の父の年金が止められ、母の内職で生活する一家の経済状態は苦しく、姉のバルキーは学校を辞めてその分を妹に回し、家の手伝いをする毎日。 ある日、屋敷の所有権を巡って父と叔父の間で裁判が起こり、心労のため父親は倒れてしまう。ついにバルキーは、一人ボンベイ(現 ムンバイ)に出て一家の生活費を稼ごうと決意する。 しかし、学位も経験もない田舎出の彼女の仕事探しは難航。居候していた知り合いのソフィーの家からも追い出され、彼女の隣人カランを頼るバルキーは、偶然カランの会社の社長と出会う。社長は彼女に、一夜を共に過ごすなら仕事を紹介しようと言うが…。 進退窮まったバルキーは家に連絡するも、夫の入院と家の立ち退き要請に困惑していた母親は、話をろくに聞かずに「こっちも大変なんだから帰って来るな」と電話を切ってしまい、バルキーは覚悟して社長の元へと赴く。…だが、翌朝、社長はお金を渡すだけで仕事の紹介を断るのだった! 傷心のバルキーをカランの友人ミシェルが介抱する。バルキーは「貴方は生まれ変わるのよ。これからはナターシャと名乗りなさい」と助言され、高級コールガールとして生きて行く事を決意する。 バルキーによって家に多額のお金が送金され、父親は全快。チュトキーも大学を卒業してボンベイの広告代理店に就職、屋敷の修理も終わって所有権も戻ってきた。しかし、以前の電話からバルキーの身の上を悟った母親だけは、笑顔を見せる事はなくなってしまった…。 挿入歌 Kachi kaliyan (さあ、摘み取りに来ればいいのに) ヒンディー語タイトルの意味は「ヴェールに染みがついた」。 なんとなく、大女優ラーニーに娼婦役をさせたかった、と言いたそうな映画。ま、ハリウッドでもよくある展開だよね…(*1)。 とにかく、ラーニー姉様はお美しい! …んだけど、いきなり「私、コールガールになるわ!」となっちゃう展開が、どうもねぇ…。 伏線はある。映像的テンションもうまく続いている。でも肝心のシーンは台詞で全部言っちゃうから、テンションが一気に冷めちゃう。姉妹の認識のズレと和解のシーン・最後の結婚式シーンも同じで、えらい簡単に事が運ぶなぁ…と言う印象。 その場その場の起承転結が、竜頭蛇尾な感あり。その分、なにか起こるぞなにか起こるぞ…と言う映画的引きの展開は、よく出来てるとは言えるけど。家族のお互いを思い合うが故の認識のズレと、そこから来る衝突とかはいいんだけど、上品に仕上げようとしているのか、派手な衝突シーンが皆無なのがね…。 母親役のジャヤー・バッチャンが、家計と娘の人生の間で苦悩する母親の姿を好演(*2)。 ラストダンスシーンで、母親から「どうせ男なんて…」みたいなこと言われてビックリする父親が、それでも男性陣のダンスに加わって踊りながら男側の言い分を歌うシーンが微笑ましい。 監督はベンガル州出身だそうで、出演者のほとんどがベンガル出身者か縁のある人で固められてるそうな。そう聞くと、急成長と急激な格差が生まれている現在のムンバイに置ける地方出身者の悲哀、みたいな映画と納得…できるようなできないような。 にしても、ムンバイのバスって停留所に止まらないの? 就活中のバルキーが飛び乗ってるカットがあったけど。 挿入歌 Hum To Aise Hain (だって、私たちはこれが好きだもん)
2009.9.18. |
*1 と例をあげようとしたら「プリティ・ウーマン」と「哀愁」しか出てこないよぅ…。 *2 彼女の息子アビシェークも、バルキーのお相手ロハン役で特別出演! |