実際にウーティにある学校でロケされた(*5)本作。その出演者も一般公募から集まった5000人の応募者から選抜されたと言う。
実質的主人公のセイラー・エリザベス(*6)を演じたロマ・アスラーニーは、1984年タミル・ナードゥ州トリッチー(*7)のシンディー系(*8)家庭生まれ。
モデル業を始めて、MV出演を経て2005年のテルグ語(*9)映画「Mr. Errababu」で映画&主演デビュー。翌06年に、「Kadhale En Kadhale(愛、私の愛)」でタミル語(*10)映画にも主演デビューし、同年公開作の本作でマラヤーラム語映画デビューも果たし、いくつかの女優賞を獲得。以降、マラヤーラム語映画界を中心に活躍中。08年には、「Aramane(宮殿)」でカンナダ語(*11)デビューもしている。
インターバル直前の衝撃告白から事件の中心人物になっていくシュリーデヴィ・スワミナータンを演じたのは、1987年ケーララ州コッタヤム県都コッタヤム生まれのマリア・ロイ。叔母に、小説「小さきものたちの神(The God of Small Things)」でイギリスの文学賞ブッカー賞受賞者となった作家アルンダティ・ロイがいる。
2003年のマラヤーラム語映画「Achante Kochumolu」に端役出演(?)した後、本作で主演デビュー。以後、マラヤーラム語映画で活躍していたものの、13年公開の「Hotel California(ホテル・カルフォルニア)」「Mumbai Police(ムンバイ・ポリス)」を最後に映画引退状態。時期不明ながら、ダンス修行のためイギリスとニューヨークへ6年間留学してたそうで、モデル兼ダンサーとしても活躍しているらしい。
真面目な学級委員長ながら、セイラーとシュリーに振り回されるプージャー・クリシュナを演じたのは、日本公開作「チャーリー(Charlie / 2015年マラヤーラム語版)」、CS放送作「バンガロール・デイズ(Bangalore Naatkal)」、映画祭上映作「ウィルス(Virus)」などに出演している女優パールワティ(・ティルヴォトゥ)。この時は、同年公開作「Out of Syllabus(アウト・オブ・シラバス)」で映画デビューしたての10代で、後の映画のような目を引く美貌や貫禄にはまだ乏しいもの、演技はすでに一級品。真面目さを表現する硬い表情の微妙な変化具合、その頭が良いが故に友達を見捨てられず、それでいながら大事な所で裏切ってしまう悲しき友情の姿をしっかりと演じ切ってくれる姿は一見の価値あり。正にトンデモね!
監督を務めたローシャン・アンドリュースは、1975年ケーララ州トリチュール県都トリチュール(*12)生まれ。
2005年のマラヤーラム語映画「Udayananu Tharam(スターのウダヤン)」で監督&脚本&原案デビューして、ケーララ州映画賞の新人監督賞を獲得。続く06年の本作で多くの映画賞を獲得して話題を呼び、以後マラヤーラム語映画界で活躍中。15年には、監督作「How Old Are You?(何才でいらっしゃいますか?)」のタミル語リメイク作「36 Vayadhinile(36才になって)」でタミル語映画監督デビューもしている。
06年のカマル監督作「Pachakuthira(キリギリス)」で本人役で映画出演している他、19年の監督作「Prathi Poovankozhi(被疑者:雄鶏)」では主演デビューもしていたりする。
受賞歴
2006 Kerala State Film Awards 次席作品賞・衣裳デザイン賞(B・サイ)
2006 Filmfare Awards South 作品賞・助演女優賞(ロマ・アスラーニー)・監督賞
2006 Asianet Film Awards 新人男優・オブ・ジ・イヤー賞(スカンダ・アショク)・新人女優賞・オブ・ジ・イヤー賞(ロマ・アスラーニー)