Partner 2007年 139分 6人姉妹の末っ子として産まれた男の子プレームは"ラブ・グル(恋の伝導師)"。女性心理をイヤと言うほど見て来た彼は、それを武器に、世の悩める男性たちに恋の手ほどきを伝授していた。彼に助けられて結ばれた夫婦は数知れず…。 今日のお客は、間抜けで冴えないバースカル・ディワーカル・チャウドリー。彼の意中の人は、なんと大富豪の社長令嬢プリヤー・ジャイスィン! …一目で「無理。諦めろ」と依頼を断るプレームだったが、諦めきれないパースカルはどこまでも彼を追っかけ回す。 空気の読めないバースカルに悩まされるプレームは、彼から逃げる途中でマフィアに追われるフォトジャーナリストのネーナー・サーニアを助ける。彼女は、正体不明のマフィア指導者チョーター・ドン(=小っこいドン)を激写したことで、マフィアに狙われ続けていた…。 結局、バースカルのしつこさに根負けしたプレームは彼の依頼を引き受けるはめになり、プリヤーの会社の財務アドバイザーとして働いているバースカルはプレームのアドバイスをもらって彼女との仲を進展させていく。一方プレームも、一目惚れしたネーナーをエスコートするも、彼女にはローハンと言う息子がいるためなかなかこちらは進展しない…。 そんなある日、プリヤーの家に招かれたパースカルは、彼女の父親から彼女と白人男性との婚約式を知らされてしまったから、さあ大変!! 挿入歌 Maria Maria(マリア、マリア) *「…それで君の名前は? リーラヴァティ? サラスワティ? ラーダ? ザキーア? マリア!! そうさ、マリアだ!!!」惚れた相手の名前を聞くときは、これくらい派手に行きましょ(えー)。 インド映画に慣れてくると「あ、これはミュージカルへの振りのシーンに入ったな」ってのが分かるようになるもんだヨ! 本作は、2005年のハリウッド映画「最後の恋のはじめ方」をアイディア元に、ボリウッド的に翻案した作品で、主演サルマーンの弟ソハイル・カーンのプロダクション作品。 大ヒットに乗って「Partner 2」の企画が進行中。 日本では、2012年はままつ映画祭にて初上映された。 もうとにかく、エンタメ帝王サルマーン・カーン主演映画らしい超ド級娯楽コメディ映画。重苦しいテーマや主義主張・泣かせどころなんぞくそくらえ! …と言う徹底したお楽しみ満載の凄まじくテンションの高いノリノリな一級娯楽作になっている。 長年トップスターに君臨し続けるサルマーンとゴーヴィンダーの息のあったボケ&ツッコミ具合といい、最高レベルのダンスといい、見てるだけでどんな病気も吹っ飛びそうなパワフルで派手派手な映像群にノックアウトでございます。ここまで徹底したエンタメに突き進んでこそ、映画が娯楽の王様として機能できるのだよ諸君! ヒロインを演じるネーナー役のラーラ・ダッタ&プリヤー役のカトリーナ・カイフもいちいちド派手だしカッコいいし動きは軽やかだしで、惚れてまうやろー。 ミレニアム・ミス・ユニバースとして鳴り物入りでボリウッド界に入って来たラーラは、とにかく優雅でツオい。マジメさが裏目に出る器用貧乏な所が玉に傷ではあるものの、本作ではすんなりと映画に染まっていて、隣にアクの強いサルマーンが来ても一歩も引いてない。なんとなく演技の付け方がアイシュやプリヤンカを参考にしてるように見えるけども、それもまたラーラらしい…ような。 この当時はまだ新人の域を出てなかったとか言うカトリーナ・カイフ(*1)は、とにかくゴージャス。さすが、ボリウッドの若手の中ではNo.1の人気を勝ち取ってると言うのは伊達ではないですわぁ。インド人に「ボリウッド俳優では誰が一番?」と聞くと大抵は「そりゃ、カトリーナ・カイフだよ」と答えるんだもん。その人気たるや、恐るべし。 ちなみにこのカトリーナ、香港生まれのハワイ育ちで印英ハーフ。インド社会の急速な欧米化の波にのって、インド的+欧米顔な所も人気のポイントだそうだけど、幼少期に短期間だけ日本でも生活してたとか。日本の芸能界が目をつけていれば日本映画界も変わっていた…かも?(*2) 前半、(無意味に?)コミックリリーフ的に登場したのがラージパール・ヤータヴ演じるチョーター・ドン。登場シーンからいきなりシャールク主演作「Don」のメインテーマが流れるパロディネタに大笑い。完全に「Don」を茶化してるのがありありなんで、それをスクープするネーナーがマフィアに追っかけられるシーンも、シリアス展開皆無のドタバタコメディになっている。ラージパールの顔になんとなく見覚えがあるなぁ…と思ってたら「Paheli」の可哀想な手紙配達人だったのね! それにしても、サルマーンとゴーヴィンダーは最強コンビ。これで「Dostana」的な続編とかもアリかもしれない…と勝手なことを言ってみる。 挿入歌 You're My Love
受賞歴
2012.3.16. |
*1 なんでも、すでにサルマーンとラブい関係だったそうだけど…。 *2 ホントに小さい頃&超短期間だったそうだから、無理な話だけどネ。 |