What's Your Raashee? 2009年 205分 アメリカはシカゴ大学に留学していたヨゲーシュ・パテールの元に、父親が倒れたとの知らせが入った! 急遽ヨゲーシュは故郷のムンバイに帰ってくる。 そこには元気な父の姿があったのだが、両親が言うには、 「お前の兄さんが破産して、家ごとその担保になっていたために、多額の返済金を抱え込んでしまった。だからお前に帰ってきてもらったんだ!」 なにしろ少し前に叔父が占星術で占った所、ヨゲーシュの周辺に金運ありと診断されて、そのすぐ後に、グジャラートに住む母方の祖父から「ヨゲーシュが結婚するなら、自分の土地名義を全部譲る」と連絡が来ていたのだから! 兄の借金先のマフィアからも脅され、家族の苦悩も間近に見てしまったヨゲーシュは、しぶしぶ結婚する覚悟を決め、結婚紹介所に勤めるもう一人の叔父デーボーに連絡。すぐに大量のお見合い希望の申込みがやってくるものの、借金返済の期日までに全員と会っている時間もない。 やけになったヨゲーシュは、夜中に読んでいた本をヒントに宣言する。 「12星座に対応した女性12人とだけお見合いして、その中から決める!」 この投げやりともとれる宣言に、それでも都合をつけてきたデーボー叔父から12人との見合いをセッティングされる。しかし、そこに現れた女性たちはそれぞれに1クセも2クセもある事情をかかえていて…。 SIMHA(獅子座)のマッリカーのテーマ Dhadkan Dhadkan(ドキドキするリズム[は私の歌]) *マッリカーはオペラダンサー。結婚後も劇団拡張のために、全財産をそこに使いたいと言う。 彼女のダンスに感銘を受けたヨゲーシュは「それでもかまわない」と言うが、インドの生水を飲もうとしないNRI(在外インド人)のヨゲーシュを見た彼女は大激怒…。 タイトルの意味は「君の星座は?」。 黄道12宮の星座にあわせた12人の女性とのラブコメ映画ということで、ヒロインを演じるプリヤンカ・チョープラーが、1映画内で1人12役をこなしたギネス級の作品!(ホントにギネス申請中だそうで) 映画の構造としては、まさしく次々と変わるプリヤンカの変装を楽しむ映画になっていて、主役ヨゲーシュを演じる若手俳優ハルマンの人のよさそうな、地味そうな、あんまり印象に残んない演技が、逆に映画そのものとプリヤンカを引き立てているから面白い。アンタたち最高!(*1) インドでの興行成績はコケたそうだけど、あたしゃ好きだけどなぁ…この映画。 12人のヒロインに12のテーマソング(*2)を入れるってだけでも、プロモ的には最高だろうけど、映画的には破綻するのがミエミエ…なのに、そんなこと感じさせないし、飽きさせないプロフェッショナルな映画構成がニジュウマル! プリヤンカも、役によってコロコロと色んな表情を見せてくれるのがスンバラしい。さすが役者! 役柄によって全然顔つきが変わるからスゴい! 気のせいか、身長も変わってる気がするぞ! 最後の最後、ついに婚約者が決まった時にあらわれたプリヤンカが、果たしてどの星座の女性なのかが一瞬わからない謎掛け構成もグッド! かるーいラブコメながら、それなりにインド人女性がかかえる結婚に関する社会問題(*3)がさらっと含まれていて、インド社会の現状認識的な面もあったり…する? それでも、この構成は世界のどこに持ってっても通じると思うけどねぇ。 日本でリメイクしようとしたら、もっとぶっ飛んだキャラとか出てくるのかな…、実写化の場合は男女が逆転しそうだな…、マンガにもしやすそう…とかとか色々考えてもーた。 12星座と言えば「聖闘士星矢」で星座名・宮名・英語名を憶えた私だけど、これ以降は、この映画でヒンディー語での12宮名も憶えてしまいそー。 あ、ちなみにボクは"KANYA"なんで、そこんとこよろすく。 DHANU(射手座)のバーブナーのテーマ Salone Kya(愛しい人よ) *バーブナーの家はクリシュナを奉る信仰心あつい家。彼女自身はプロの占星術師で、結婚相手は自分の占いで「吉」と出た相手でないといけないと言う。 ヨゲーシュとの相性を占った所、出てきたのは「凶」。しかし、ある条件では「吉」になると言う。その条件がとんでもなくて…。
受賞歴
2010.6.8. |
*1 実際、この頃ラブい関係だったそうだけどね!! *2 唯一、最初のお相手である牡羊座のアンジャリだけ歌がないけど…ま、そのシーンの後ろでブルース演奏してたからいいのか。 *3 持参金問題・花嫁の離婚や再婚のタブー視・処女性の重要視・低い就学率・未成年婚・結婚ビジネスの横行・占星術の重要視…などなど。 |