イエス・ボス (Yes Boss) 1997年 163分 ドイツ語吹替版の予告編。 その日、豪邸からベンツに乗って出てきたラフール・ジョーシーは、道端で同じくベンツに乗る美女と一悶着。喧嘩別れした後、ベンツから自分のスクーターに乗り換えた所でやはりスクーターに乗っている先程の美女と再会する! 「僕はラフール。…さっきのは会社の車なんだ」 「…私はシーマー。実は私のも仕事の車なの」 二人はなんとなく意気投合して、その時はそのまま別れて行く。いつかまた、ベンツに乗って会いましょう…と笑いつつ。 そんなラフールは、心臓病の母親を伯父の所へと送って行った後、大手広告会社への出勤がてら、女たらしのボス シッダールス・チョウドリーの代わりにボスの恋人(不倫相手のモデル)のご機嫌伺いやボスの妻シーラへの贈物の手配も頼まれる。ラフールは、会社の仕事以上に、ボスの個人的な便宜まで担当する事で出世して自分の事務所を持ち、行く行くはお金持ちになろうと画策していたのだった。 一方、シーマー・カプールも将来はお金持ちになることが夢。モデルの仕事をこなしセレブと結婚して、一等地の高層ビルを自宅にしようと決めていた。再会した2人は、そんなお互いの夢を語り合いながら次第に仲良くなって行く。 そんな中、会社の次期広告モデルを選出する美人コンテストで、参加モデルたちの中にシーマーを見つけたラフールは、同じくシーマーに注目するボスから「彼女と付き合いたい。手配を頼む」と命令されてしまう! 挿入歌 Main Koi Aisa Geet Gaoon (美しい歌を歌おう) 原題は英語でそのまま「仰せの通りに」(主人公の口癖でもある)。シャールクの出世作「ラジュー出世する」の主演2人&監督が再結集した、シャールク&ジュヒーの黄金コンビ映画の代表作! 日本では、1999年に日印国交樹立50周年記念作品として東京国際ファンタスティック映画祭で上映。さらに2001年のインド西部大地震チャリティ映画祭「Open Your I's! & Feel India!」では「Asoka」のプロモを兼ねたシャールク&ジュヒー来日の上で(!!)上映された(*1)。 基本的には、当時の理想的生活風俗を取り入れた軽快な会話を中心としたラブコメ…と言うかシチュエーションコメディと言うか。主演のシャールク&ジュヒーの魅力だけで持ってるアイドル映画ですな。当時としては、これがイケてるお洒落映画だったんだろうけど、こう言う映画って5年持たないんだよねぇ…。今見ると、妙に派手派手なファッション(*2)とか無駄なお金持ちアピールとか妙な家具の陳列具合とかが不思議なものにしか見えなくて…。当時のリアルなムンバイの生活を体験してると、またちょっと受け止め方が変わるんだろうけど。 とにかく、この映画を支える屋台骨は徹頭徹尾ヒロインを務めるジュヒー・チャウラーの存在。たとえ、ヒロインがなんで女たらし社長に未練タラタラなのか分かんなくとも、騙されたと知っておきながらラフールとのお芝居にノリノリで相手してる態度が理解できなくとも、彼女の一挙手一投足のお美しさと可愛さで全部許すー!!!! さすがは'84年度ミス・インディア!! まさにノリにノッてる時期の映画だね!(*3) そのキャリアは、1986年の「Sultanat」の端役から始まり、すぐに年間5〜9本(!!)もの映画に出演する人気女優に(*4)。1992年の「ラジュー出世する(Raju Ban Gaya Gentleman)」以降、シャールクとの黄金コンビとしても人気を呼び、本作が5本目の共演作となる(実際にも親友同士だそな)。本作では、ジュヒー自身のダンスがほぼないのはちょっとさみしいけどね。 とりあえず、酔っぱらったジュヒー超可愛い。洗剤CMに出てる時の堂の入りっぷりは「Ghajini」のアシンを軽く越えてるんじゃね? ラストに急に展開するアクションシーンはパターンではあるけど、なーんとなく香港映画っぽいノリも見えてくるような、でないような? 挿入歌 Suniye To (ねえ聞いて [足を止めて])
受賞歴 「イエス・ボス」を一言で斬る! ・結局、ラフールの仕事ってプロモーターなのか営業なのか企画運営なのか…?
2013.9.6. |
*1 「Asoka」自体、シャールク&ジュヒーが立ち上げたプロダクション"ドリームズ・アンリミテッド"製作の映画だったから…というのもある。 シャールクは、このすぐ後に「Asoka」プロモのために訪米して、9.11同時多発テロに遭遇したんだそうな…。 *2 ド派手ネクタイとガラの悪そうなサングラスの組み合わせがなんとも…。 *3 ジュヒーは本作で、2年連続のフィルムフェア主演女優賞にノミネートされております。 *4 現在に至るも現役で活躍中。デビュー以降、2002年以外はかならず映画に出演しているのがスゴい…。 |